ダッシュボードが「“ぬいぐるみ屋”さんカー」 どんな違反に? パット見「問題ナシ」でも“法令違反”の可能性も! 「推し活」したい人が注意すべきこととは
ダッシュボードがあたかも“ぬいぐるみ屋さん”のように、お気に入りのぬいぐるみをたくさん積んでいるクルマを見かけることがあります。違反にならないのでしょうか。
ダッシュボードがぬいぐるみだらけ… 事故時に「追及」されることも
近年の「推し活」などから、クルマの中にお気に入りのアイテムを置いて、自分らしい空間を作っているという人もいるかもしれません。
しかし、時々ダッシュボードにぬいぐるみやフィギュアを多く並べて飾っているクルマを見かけることもありますが、違反にならないのでしょうか。
![車内が「ぬいぐるみ屋さん」になっているクルマ 違反になる?[画像:PIXTA/イメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/01/20250128_nuigurumi_003.jpg?v=1738052918)
たまに見かけるのが、1個や2個のぬいぐるみではなく、あたかも“ぬいぐるみ屋さん”のようにダッシュボードが埋め尽くされているようなクルマもあります。
外から見ても非常に目立ち、自分の「好き」をアピールするには良い方法なのかもしれませんが、その置き方によっては違反となることがあるため注意が必要です。
まず、ダッシュボードにぬいぐるみなどの物を置くこと自体が違反になるわけではありません。
しかし、大きなぬいぐるみを置いたり複数のぬいぐるみを積み上げたりすると、ドライバーの視界の妨げとなってしまい危険です。
こういった置き方により、運転者の視界が妨げられ、クルマの運転に支障が出ると判断されると、警察官から注意を受けたり、交通違反として取り締まりを受けたりする可能性があります。
道路交通法第70条では「安全運転の義務」として、次のように定められています。
「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」
同項の内容は「操作不適」「前方不注意」「動静不注視」「安全不確認」「安全速度違反」「予測不適」「その他」の7つに分類されますが、今回のケースでは、「その他」に該当する可能性があります。
また、道路交通法第55条第2項では次のような内容が定められていることから、ぬいぐるみをダッシュボードに置く行為は「乗車又は積載の方法」に該当することも考えられます。
「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」
さらに、道路運送車両の保安基準第21条(運転者席)でも、「自動車の前方2mにある高さ1m、直径0.3mの円柱(6歳児を模したもの)を鏡等を用いず直接視認できること」と明記されており、これに適合しない場合もあります。
こういったことから、ダッシュボードのぬいぐるみの置き方によって、運転者の視界を妨げたり、ハンドルが操作しづらくなったり、サイドミラーやバックミラーが確認できなくなったりすると、法令違反に該当する恐れがでてきます。
また、法令違反に該当しない場合でも、運転中にぬいぐるみが足元に落ちてしまい、ペダル類に挟まることで運転に大きな支障をきたす危険もあります。
さらに、クルマによってはダッシュボードやメーターフードの付近にはエアバッグが搭載されており、エアバッグの作動時に危険が生じたり、正しく作動しなかったりなどのリスクも想定されます。
万が一事故が起こった場合は、こうした法令に適合していなかった状態が厳しく追及される可能性があります。
このことからも、ぬいぐるみをダッシュボードに置く時には、数や置き方などに注意しなければなりません。
※ ※ ※
クルマの中は自分で自由に使える空間ではありますが、ダッシュボードの上やフロントガラスなど、物を置くのを避けたほうがいい場所もあります。
これはぬいぐるみやフィギュアに限った話ではなく、近年スマホの普及とともにクルマに取り付ける人が増えたスマホホルダーなども同様です。
何か置く場合、まずは安全運転が第一で、視界を妨げないようなアイテムを選んだり、置き方を工夫したりするといいでしょう。
行き過ぎたデコは、トラックの装飾板と同じで死角をわざわざ拡大して居る様なものだ。白いモケモケも、反射具合により見えなくなる部分が大きいので、併せて禁止すべきだ。保安基準違反でバシバシ摘発すればよいのに。