ニッサン斬新「シルビア」がスゴかった! 大型ウイング&大幅馬力アップの「直4ターボ」採用! 専用パーツモリモリの「オーテックバージョンK’s MF-T」とは?

オーテックは、かつて日産「シルビア(S14型)」に専用パーツを多数採用し、大幅なパワーアップを施したコンプリートカーを展開していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。

専用装備で武装された「究極のシルビア」とは?

 かつて日産の特装車両の開発を担っていた「オーテック(現:日産モータースポーツ&カスタマイズ)」は、これまでにさまざまな日産車ベースのコンプリートカーを手掛けてきました。
 
 なかには現存数が少ない貴重なスポーツカーも存在しています。
 
 その一例として挙げられるのが、かつて日産が製造・販売していたスポーツカー「シルビア」の「S14型」をベースとする「オーテックバージョンK’s MF-T」です。
 
 一体どのようなクルマなのでしょうか。

オーテックバージョンが手掛けた「シルビア」のコンプリートカーとは?
オーテックバージョンが手掛けた「シルビア」のコンプリートカーとは?

 オーテックバージョンK’s MF-Tは、1997年にオーテックから発売されたコンプリートカーで、ベースとなっているのはシルビアS14後期型のターボエンジン搭載モデル「K’s」です。

 そもそもS14型は、コンパクトながらも高い走行性能を持つことで人気だった先代「S13型」と異なり、ボディは大きく車重も重くなったことから、当時のスポーツカーと比較して一部では「パワー不足」との声もありました。

 そのため、オーテックでは「エンジンの出力を大幅に向上させること、強烈なインパクトを与えること」をテーマにしたコンプリートカーの製作に着手。

 その結果生まれたのがオーテックバージョンK’s MF-Tでした。

 エンジンは専用にチューニングした2.0リッター直列4気筒エンジン「SR20DET」に、IHI製のターボチャージャーと斜流タービンを装備。

 さらにフジツボ製の専用エキゾーストシステムを組み合わせることで、最高出力は220psから250psにまでアップ。

 また、パワーアップしたエンジンを保護するために、インタークーラーやフロント部のエアインテークのサイズアップも行っています。

 強力なパワーを支えるため、サスペンションは専用のスポーツモデルへと変更。

 タイヤもアローエンタープライズ製の16インチアルミホイールを備えた215/50R16のタイヤが採用されました。

 フロントには専用バンパーを装備するなど、エクステリアにも手が加えられており、特に目を引くのがリアのリアスポイラー。

 まるでフェラーリのスーパーカー「F40」のようなアーチ形の大型タイプを装備しており、迫力のあるスタイリングになっています。

 そんなオーテックバージョンK’s MF-Tの販売価格は299万円(消費税抜、以下同)。

 ベース車は239万円でしたが、カスタムに手間を掛けたくない人や、パワーや足回りをバランスよくチューニングされたクルマに乗りたい人にとっては、好評な1台でした。

 なお販売台数は不明ですが、販売開始から2年後にS14型が販売終了となったため、市場に出ている数はかなり少ないと思われます。

 実際に中古市場に出ることは滅多にない稀有な1台です。

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Writer: 大西トタン@dcp

(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。

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