「紀伊半島の真ん中」国道168号が大変化中!? 壮大なバイパス計画「五條新宮道路」のスゴさとは “酷道”は今や過去!? 十津川村も「トンネルで丸ごとスルー」

奈良県・和歌山県の山岳地帯をつらぬき、紀伊半島の最内陸部の南北軸となる「国道168号」が、走りやすいスムーズな道路へ改良整備中です。一体どこまで改良が進んだのでしょうか。

気が付けばほとんど「トンネルワープ」実現済み!?

 奈良県・和歌山県の山岳地帯をつらぬき、紀伊半島の最内陸部の南北軸となる「国道168号」が、走りやすいスムーズな道路へ改良整備中です。
 
 一体どこまで改良が進んだのでしょうか。

トンネルや高架橋でバイパス整備されていく国道165号(画像:国土交通省)。
トンネルや高架橋でバイパス整備されていく国道165号(画像:国土交通省)。

 国道168号は、大阪府枚方市から生駒山地裏を抜けて、王寺・大和高田・御所を経て、五條からいよいよ長い長い山岳地帯へ入っていきます。日本最大の有人村である十津川村を経て、和歌山県新宮市へ到達する、総延長200km近い路線です。

 さて、山岳地帯を抜ける五條~十津川~新宮区間は、長らく延々と谷筋の狭隘区間で、急カーブが連続しすれ違いも困難な場所も多い、いわゆる「酷道」の部類でした。

 これではネットワーク道路としての役目は果たせず、十津川村など内陸エリアの緊急輸送にも支障をきたしています。そのため、丸ごと高規格化する「五條新宮道路」という壮大なプロジェクトが進められています。

 気が付けば十津川村中心部をはじめ、大部分のバイパス工区が完成し、かつての苦難の道のりがウソのように、快適な道路で谷筋を通過できるようになっています。もちろん、まだまだ事業中の区間は複数あります。

【設計中】新天辻工区 7.2km
 2018年に事業化。天辻峠を丸ごと長大トンネルでワープするもので、宗川野から阪本大橋までほぼ直線で一気に抜けていきます。古来から未開業の「国鉄五新線」の長大トンネルが掘られていましたが、それに並行する形です。

 気になる進捗ですが、まだ用地取得や設計段階。ちょうどトンネル本体の詳細設計について、担当コンサルの発注が行われているところです。

【完成】阪本工区 1.4km
 2024年3月に開通したばかり。谷斜面にへばりつくような細道区間で、バスが離合不可能な狭い隧道もあるクネクネ区間を、トンネルで一気にワープします。

【完成】辻堂バイパス 4.1km
 2018年に全通。猿谷ダムからトンネルと高架の連続で、大塔村の中心街を一気にワープしていきます。とにもかくにもクルマ1台分くらいの幅しかなかった国道の風景は、いまや過去のものになりました。

【工事中】長殿道路 2.7km
 2019年に着工。十津川村に入ってすぐの区間で、現道は切り立った谷斜面にかろうじて道路が通されていて、最低限の車幅で谷筋に沿ってクネクネ道が続き、ドライバーを疲弊させます。そこをほぼ全区間トンネルで一気に抜けていきます。

 まずは合間の谷をまたぐ橋梁の工事が先行で進められています。トンネル本体の着工はのちほどになりそうです。

【画像】超便利!? これが壮大な「五條新宮道路」計画ルートの全貌です

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1件のコメント

  1. 僕はたまに観光目的でしか通らないが、過去に比べると部分的にきれいで走りやすい道路が出来始めていると感じていた。それでも山岳谷間道路のスリリングな個所のほうがはるかに多い。スケールも大きいので、長い距離ながら飽きない道だ。しかし、自然は絶えず動いている。がけ崩れで人の命が奪われてしまうことが絶えない。1年以上前には、僕が北上している最中に突然先のほうで通行止めになり、道の駅に引き返して待機状態になった。原因は乗用車の崖からの転落事故だった。こうした通行止めによる、人命に関わるような緊急時に対応できないということは避けなくてはならない。新宮、勝浦方面と和歌山、奈良方面のインフラ整備は重要だと思う。かたや当該地域の人口減だけはどうにもならないようだが、行き止まり地域ではないメリットを活かせるよう努力が必要だろう。

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