三菱ふそう 新型スーパーグレート試乗! 斬新な「ブラックベルト」マスクの力強さと、新開発12.8リッターエンジンを体感!

日々さまざまな荷物を積んで日本中を走る大型トラックの世界も、乗用車のような先進安全装備を備えるようになっています。そんな「現代の最新トラック」の姿とは、どのようなものなのでしょうか。三菱ふそうの新型「スーパーグレート」試乗会で体感してきました。

6年ぶりにフルモデルチェンジして3代目を迎えた「スーパーグレート」

 日々さまざまな荷物を積んで日本中を走る大型トラックの世界も、乗用車のような先進安全装備を備えるようになっています。そんな「現代の最新トラック」の姿とは、どのようなものなのでしょうか。三菱ふそうの新型「スーパーグレート」試乗会で体感してきました。

6年ぶりにフルモデルチェンジした三菱ふそうの大型トラック 新型「スーパーグレート」
6年ぶりにフルモデルチェンジした三菱ふそうの大型トラック 新型「スーパーグレート」

 われわれの生活を支えていると言っても過言ではない、物流。その中でトラックによる輸送は約9割を占めています。また、日本の運送事業者における大型トラックの保有率は約48%と圧倒的に多く、大型トラックでの輸送が国内物流の柱となっていることがうかがえます。

 ところが物流・運送業界の現場では、トラックドライバーの不足や、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限が年間「960時間」になったことによって輸送力の低下などが懸念される、いわゆる「物流の2024年問題」など、多くの問題が山積しています。

 これに対し、輸送の効率化や快適性の向上を図るべく、トラックメーカーも車両の改良に余念がありません。日本を代表するトラック・バスメーカーの三菱ふそうも、2023年10月に大型トラックの「スーパーグレート」を6年ぶりにフルモデルチェンジを行い、経済性・快適性・安全性・および操作性に磨きをかけました。

 そこで三菱ふそうでは、2024年7月に新型スーパーグレートの試乗会を実施。筆者(遠藤イヅル)も同社の喜連川研究所(栃木県さくら市)のテストコースおよび周辺の公道で試乗して、その実力を確かめてきました。

新開発12.8リッターエンジンの採用で力強い走りと燃費の良さを両立

 三菱ふそうスーパーグレートは1996年に登場。2017年には21年ぶりのフルモデルチェンジを行い2代目に発展しました。そして今回のフルモデルチェンジで3代目を迎えた新型スーパーグレートは、2代目の美点を引き継ぎながら、さらなる進化を遂げています。

新型「スーパーグレート」には新開発の12.8リッターエンジン「6R30型」を搭載
新型「スーパーグレート」には新開発の12.8リッターエンジン「6R30型」を搭載

 まず目を引くのは大きくイメージを変えたフロントマスクです。キャビンは従来の形状を踏襲していますが、フロントには、かつての三菱ふそうの大型トラック「Fシリーズ」や「ザ・グレート」をほうふつとさせる「ブラックベルト」を新たに採用。基本的に無塗装の樹脂とすることで、パーツ製造時のCO2を削減しています。

 また、バンパーのコーナーをフラッシュサーフェイス化して滑らかな空気の流れを作り、空力性能を向上。荷台高さいっぱいまで持ち上げたスーパーハイルーフも設定され、燃費の改善を図っています。

 スーパーハイルーフ設定車では、頭上空間を大幅に拡大。スーパートップシェルフの採用で収納力も増えており、定評があった車内の快適さも一層向上しています。インテリアカラーにスタイリッシュな赤色を追加したことも、大きなトピックです。

 エンジンにも注目。先代モデルでは、燃費性能・環境性能を高めた7.7リッターの「6S10型」と10.7リッターの「6R20型」ダウンサイジングエンジン(いずれも直6)を搭載していましたが、新型スーパーグレートでは6R20型に代わり、新開発の12.8リッターエンジン「6R30型」を新たに設定しました。

 排気量の追加で低速トルクが増大したため、大型トラックに求められる力強さを実現したいっぽう、燃費性能も向上。「2025年度重量車燃費基準(JH25モード)にも適合しています。

 試乗では、10.7リッターの6R20型エンジンを積んだ先代モデルも使い、斜度8〜10%の上り坂を乗り比べるプログラムを実施。先代・新型どちらもフル積載のイコールコンディションでしたが、新型の走りは明らかにパワフルでした。

 面白いのは、性能の額面数字です。6R20型・6R30型ともに、最高出力394ps(290kW)/1600rpm・最大トルク2000N・m(204kgf・m)/1100rpmで、発生回転数まで一緒です。しかしまず先代に乗り、そして新型に乗り換えてみると、トルクの出方や加速力がまったく異なっていることがわかりました。

 斜度10度の状態で坂道発進を試みても、その違いは絶大。旧型がやっと登っていくようなイメージなのに対し、新型はやすやすと発進していきました。

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