トヨタ新型「セリカ」登場!? 復活の“8代目”どんなクルマになる? 待望の「2ドアクーペ」の現実性とは
トヨタの新社長として昨年就任した佐藤恒治氏の「セリカが好き」という発言もあり、復活の噂が囁かれている「セリカ」。仮に復活するとしたら“新型セリカ”はどのようなモデルとなるのでしょうか。
“セリカ復活”は現実的?新型セリカ登場するとしたらどんなモデルに?
トヨタの新社長として昨年就任した佐藤恒治氏の「セリカが好き」という発言もあり、復活の噂が囁かれている「セリカ」。セリカは、かつてトヨタが生産していた手ごろなクーペです。
もちろんセリカの復活は正式に決まったことではありません。しかしトヨタは2011年に「86」を復活(正確には「AE86」の後継と言えるモデルを登場)させヒットモデルとしていますし、他メーカーでも2023年にホンダが「プレリュード」の復活を宣言しており“2020年代半ば”に発売予定です。
クーペが大ブレイクしていた1990年前後ほど大きな市場ではないとはいえ、背の高いクルマが流行している今こそ「クーペに価値がある時代」と言っていいかもしれません。
そんな状況を考えると、セリカの復活も、将来的に全く可能性がないとは言い切れないでしょう。
では、もし新しいセリカが登場するとしたら、どんなクルマになるでしょうか?
まずはボディサイズやプラットフォームですが、セリカのポジションは「少し頑張れば若者でも手が届く価格帯のクーペ」。大きくラグジュアリーなクーペではないので、「GR86」と同じくらいの車格感と考えるのが妥当でしょう。
しかし、同じGR86とプラットフォームを使い後輪駆動に仕立てるのは邪道だと筆者は考えます。やはりセリカは、もっとコストを抑えたFF(とFFベースの4WD)と考えるのが自然でしょう。
となれば、サイズ的にもマッチしそうなのが、「プリウス」や「カローラ」などに使われている「GA-C」プラットフォーム(もしくはその進化版)。現行型プリウスなどとシャシー(ホイールベース2750mm)を共用し、プリウスくらい思い切ったアバンギャルドなデザインのクーペなら存在感もあり多くの支持を得られると考えます。
パワートレインは、昨今の状況を考えるのであれば、プリウスと共通の「シリーズパラレル式ハイブリッド(旧称:THS)」がメインとするのが自然でしょう。
2022年に登場した「ノア」と「ヴォクシー」から搭載がはじまった“第5世代”は、従来タイプに対して燃費性能が進化したうえで、アクセル操作に対する反応のダイレクトさといったドライバビリティも大きく向上。
2.0Lエンジンを組み合わせるタイプでは動力性能も大きく高まったので、セリカのようなスポーティクーペとの相性も良好です。手が届きやすい価格のハイブリッドクーペなら、時代にもマッチしているといえるでしょう。
いっぽうで、さらに手が届きやすい仕様としてコンベンショナルなガソリンエンジン車を用意するのも、若者向けの訴求として大切でしょう。参考までに「カローラスポーツ」では、2.0L自然吸気エンジンを積むガソリン車はハイブリッド車よりも25万円ほど安く設定されています。
50代前後のクルマ好きにとってセリカといえば「GT-FOUR」かもしれません。GT-FOURは、ターボを加えた高出力エンジンに4WDを組み合わせたスポーツグレードで、1987年に公開された映画「私をスキーに連れてって」で劇中車として使われてブレイク。またWRC(世界ラリー選手権)でも大活躍し、トヨタを代表する“スポーツ4WD”といえる存在です。
もし次期セリカが存在するとしたら、そんなGT-FOURの復活にも期待したいところ。
それに関しては「GRカローラ」の304psエンジンとスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を移植して作るのが、王道的かつ現実的なストーリーと考えます。GRカローラと同じGA-Cプラットフォームであれば、そこに障害はないでしょう。
ところで、次期セリカが登場したらターゲットはどんな人たちになるのでしょう。おそらくPR上の想定カスタマーは「定番(SUV)に縛られない、軽快で個性的なスタイルのクルマを求める若者」となるはずです。
もちろんそうした人たちからも注目されるはずですが、もうひとつは「かつて若者だった人たち」。映画でST165型セリカGT-FOURの活躍を見て、WRCを戦うセリカの勇姿を見て憧れたり実際に買っていた世代と考えます。
彼らが子育てに一段落し、経済的にも余裕が出て、SUVやミニバンではなく「あの頃」を懐かしむような気持ちでクーペに戻ってくるのではないでしょうか。
「(クーペは乗り降りしにくいので)身体的に乗れるうちに、もういちどカッコいいクルマに乗ろう。」
実は、そんな人たちが次期セリカの実際のターゲットとなるのかもしれません。逆にいえば、そういうターゲット層が「今なら買いたい」と思えるうちに、トヨタは次期セリカを世に送り出す必要があると考えてよさそうです。
“2020年代半ば”とされているプレリュードの日本における実際の顧客層も、若者ではなく、「子育てが終わり今は時間的にも経済的にも人生に余裕があり、かつてプレリュードを所有していた、もしくは憧れていた層」になると筆者は考えます。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
非常につまらない記事
超カッコ悪いです。今のトヨタは「欲しくない車」を作る天才だと思います。どうせこのセリカが発売されたとしても全幅が1800mm超のボテボテに太った「自称コンパクトスポーツ」なのでしょう。トヨタの会長も社長も後席でふんぞり返るようになって一般の生活道路なんか運転しないから無駄に横幅を広げるばかりで、何もわかっていないと思う。