レクサスが新型モデルを「3車種」初公開! LBX&LM23年秋発売、GX24年発売! 多様化表現した新たなレクサスとは

新型4車種に共通して感じられた「走りの統一感」の源とは

 このように今回試乗した4車種は、いずれも魅力あるモデルに仕上がっていました。

 しかし筆者がそれ以上に感じたことは「走りの統一感」です。

レクサスの新型ショーファーカー「LM」は2023年秋頃に国内でも発売予定
レクサスの新型ショーファーカー「LM」は2023年秋頃に国内でも発売予定

 新型4車種は、ボディサイズやパッケージはもちろん、パワートレインやレイアウト、サスペンション形式もバラバラですが、走らせているとどこか同じ感覚があるのです。

 これは乗ってみればわかる感覚なのですが、コーナリング時の一連のクルマの動きがどのモデルも同じ「波長」で行なわれているのでしょう。

 レクサスのブランドホルダーでもある豊田 章男氏は、レクサスを「素のままの自分に戻れる、本物を知る人が最後にたどり着くブランド」と語っています。

 その考えと、今回の新型4モデルに乗った印象から得た最新レクサスの味とは「おいしい白飯とお味噌汁」だと筆者は解釈しました。

 その心は、主役にも脇役にもなれる応用性、シンプルなのに味わい深く飽きがこない、そしてどこかホッとする「ニッポンの味」ということです。

 それを踏まえると「ザ・ナチュラル」が、レクサスが目指している「味」だと考えています。

 レクサスでは近年、チーフエンジニアのみならず各領域のリーダーたちが一堂に会して「味磨き」と言う活動を行なっています。

 恐らく、従来はチーフエンジニアの個性がクルマに反映されがちで、「個々のモデルとしては良いけれど、ブランド全体としてみたときにはどうだろうか」という悩みもあったと推察されます。

 しかし、この活動を通じてブランドに横串を刺すことで「目指す道を明確にする」といった考えになったと考えられます。

 その結果、レクサスとして目指すべき「理想のクルマの動き」が生まれ、そこに個々のモデルの特性やボディサイズ、レイアウト、車両重量、パッケージなどを考慮した味付けが行なわれる、というわけです。

新世代のレクサス大小SUV! 新型「LBX」(左)と「GX」(右)
新世代のレクサス大小SUV! 新型「LBX」(左)と「GX」(右)

 もちろん、これまでのレクサス車もそれぞれ同じ考えをもとに開発が進められていたと思いますが、基本の素性が似ていると比較的実現しやすかったのかもしれません。

 しかし、今回はコンパクト、ミニバン、ボディオンフレーム、3列シートSUVと、基本の素性が多種多様でバラバラでした。

 そんななかでレクサスを明確に表現するためには、「味磨き」の重要性はより高まり、それが今まで以上に色濃く反映されたのが今回の新型4車種というわけです。

 では、レクサスの目指す「理想のクルマの動き」とは何なのでしょうか。

 レクサスブランドの味つくりを担当するLEXUS TAKUMI(匠)の尾崎 修一氏は、次のように教えてくれました。

「やはり『すっきり』と『奥深い走り』を突き詰めた結果だと思います。

 より具体的に話すと、すっきりとは『雑味を取り除き本質追求する』こと、奥深い走りとは『人に依らず、路面を選ばず、環境を問わない懐の深さ』です。

 今は感覚的に『これがレクサスだよね』と共有できていますが、将来的は誰でもそれがわかるように、シッカリと数値化させる必要があると思っています」

※ ※ ※

 2023年4月に行われた新体制発表会で佐藤社長は「2026年に投入予定の次世代電気自動車をレクサスで投入する」と公言しています。

 このモデルは「電動化」と「知能化」を表現しており、様々な技術を含めて電気自動車のゲームチェンジャーとなり得る存在のようなので、こちらも楽しみです。

 このようにレクサスは未来に向けて確実に変わり始めています。

 そして、この挑戦はこれからも続きます。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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1件のコメント

  1. 車種数だけで、中身の斬新さに欠けるよね
    金太郎飴のような新車攻勢も
    貧乏人にとっては、どうでもよい話

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