ヘッドライトにも「ワイパー」あった!? もはや懐かしい「へッドライトワイパー」なぜ存在? “旧い車”装着されてる理由とは
かつて1970年代から80年代の海外メーカーのクルマに用意されていた「ヘッドライトワイパー」は、四角いライトから丸いライトまで様々な方法で汚れをふき取るものでした。今は見られない装備の歴史を振り返ります。
バリエーション豊富! 厳しい運転環境を補助した「ヘッドライトワイパー」
現在は消えてしまった装備のひとつに「ヘッドライトワイパー」があります。
ヘッドライトの前に置かれた小さくて可愛らしいワイパーが、噴射されたウォッシャー液とともにヘッドライトの汚れを払う装備ですが、メーカーやライトの形状によってさまざまなタイプが用意されていました。
日本で発売された国産車ではほとんど採用例がなかったため、ヘッドライトワイパーはあまり馴染みのないパーツですが、1970年代から80年代の海外メーカーでは採用例が多く見られ、国内の輸入車にも装着されていました。
これは、欧米の道路事情とも関わっています。陸続きで長距離を走る機会が多く、エリアによっては速度域が速かったり、道路事情が悪かったり、さらに地域によっては積雪も多かったりするため、走行するとヘッドライトが激しく汚れてしまうのです。
その時、現在よりも光量が少ないヘッドライトが、汚れの付着によりさらに光量不足になってしまうこともあり、安全運転に寄与する有用な装備として、ヘッドライトワイパーが一部メーカーに普及しました。
一方で、少なからずかさばるワイパー機構を、スペースに余裕がないフロントに組み込まないとならないこと、空力を考えると立体的なワイパーがスムーズな空気の流れを妨げることもあってその後は廃れ、現在では「ヘッドライトウォッシャー」へと、その役割が移行しています。
ヘッドライトワイパーが出現したのは1970年代。メルセデス・ベンツの初代「Sクラス」(W116)や、「サーブ99」がその先駆けといえる車種でした。
その後、欧州メーカーが続々と装着を進めていきますが、ヘッドライトの拭き方には工夫が凝らされていました。
一般的に窓に用いられるワイパーは、窓の下にピボット(旋回軸/中心点)を置き、左右に動かして扇状に汚れを払っていきます。
前述のメルセデス・ベンツ初代Sクラスをはじめとした同社のモデルでは、これと同じ考え方で、ヘッドライトの下部に支点を置き、小さなワイパーを動かす方法を採っていました。
この設計は、四角いヘッドライトに付属するワイパーの基本といえるもので、メルセデス・ベンツ以外にも、ボルボ、オペル、サーブ、ジャガーなど各社が採用しました。
支点を使ったヘッドライトワイパーでも、「ボルボ260シリーズ」、1970年代中期の「サーブ99」などでは、支点の位置をグリル側に置いたためワイパーアームが長くなって厳つくなっており、いかにも冬の寒さが厳しい北欧車、というイメージを与えていました。
ところが、同じく四角いヘッドライトでも、「こんな方法があるのか」と感心させられるのが、サーブ99が初期に装着し、その後同社の「95」「96」へと拡大採用されたワイパーです。
ヘッドライト脇からモップのような形状のワイパーが生えており、これが左右に動くことで汚れを落としていました。
シンプルなアイデアですが、ヘッドライトが奥まっていて、立体的な段差がないと成立しない設計のため、その後普及しませんでした。
この方法は、オランダ製のボルボ「343」でも見られ、こちらではグリルを前に押し出して、ワイパーを駆動するスペースを稼いでいました。
ワイパーじゃないけど、ヘッドライトウォッシャーもありましたよね。GA61XXに付いてたけど、殆ど使わなかった。