ヘッドライトにも「ワイパー」あった!? もはや懐かしい「へッドライトワイパー」なぜ存在? “旧い車”装着されてる理由とは
丸いヘッドライトを器用にふき取る「ヘッドライトワイパー」も
面白いヘッドライトワイパーはまだまだあります。
ヘッドライトワイパーといえば、四角いヘッドライトのクルマだけかと思いきや、丸いヘッドライトでも拭くことができるのは驚きです。
まずは左右2灯のクルマから見ていきましょう。
ボルボでは、例えばオランダ生まれの小型ボルボ「66」などは、ピボットタイプを使っていました。発想は簡単ですが、表面が丸く出ているヘッドライトに合わせ、ワイパーが大きく湾曲していたのが特徴でした。
しかし「ボルボ1800」では、なんとヘッドライトのセンターを中心に設置された回転式ワイパーが、車体側から伸びた長いアームで駆動する奇抜な設計でした。
続いては片側2灯の丸目4灯型。以前のBMWでは、デザインの主流が丸目4灯でしたが、2つのアイデアでヘッドライトワイパーの設置を解決していました。
まず1つ目は、1回のアクションで同時に2灯を洗えるよう、2灯の間にピボットを設けて左右のヘッドライトにアームを伸ばしたもの。
アームはL字型に形状が固定されているだけでなく、アームから先はワイパーブレードがなく柔らかいゴムで構成されているため、ワイパーが動くと、まるで人が手を振って踊っているような、変わった動きを見せていました。
もう1つは、ヘッドライトのひとつひとつにワイパーを個別に設けた設計で、こちらは同時に4つワイパーが動くという、ダイナミックなタイプでした。
このように多彩なヘッドライトワイパーが用意されていた欧州メーカーでしたが、前述の通り1990年代以降は各社ともワイパー部を廃止し、ウォッシャー機能だけが残りました。
しかし機能的な装備のヘッドライトワイパーには機械的な魅力があり、筆者(遠藤イヅル)もとても好みです。
そのため、現在所有している「サーブ900」にヘッドライトワイパーが装着されていることが、なぜかとても誇らしく思えてしまうのは不思議です。
なお参考までにヘッドライトワイパーのスイッチは、サーブ900ではウィンドウウォッシャーと連動しており、フロントウィンドウにウォッシャー液を噴射すると同時に、ヘッドライトワイパーも作動するようになっています。
街ゆくクルマで装着していることはすっかり減ってしまいましたが、見かけたらぜひ、注意してみて欲しい装備だと思います。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
ワイパーじゃないけど、ヘッドライトウォッシャーもありましたよね。GA61XXに付いてたけど、殆ど使わなかった。