風を感じて走るのは一緒!? 「オープンカー」と「バイク」どっちがイイ? 両者の“非実用的な魅力”とは?
オープンカーとバイクの違いは「快適性」と「緊張感」
では、実際にオープンカーとバイクを所有した経験のあるユーザーは、どんな違いを感じているのでしょうか。イタリア製オープンカーを複数台所有した経験のあるSさん(50代男性・都内在住)は現在、ドイツ車とバイクを同時所有。両車の違いを聞いてみました。
「オープンカーは2シーターも多く実用性を諦めた部分はありますが、それ以外はルーフ付きのクルマと同じ感覚で乗れます。
ルーフを閉じればエアコンも十分に効くので冬は暖かく、夏は涼しく快適性はほとんど犠牲になっていなかったと記憶しています。
それに引き換えバイクは、冬寒く夏は暑い。しかも全身で風を受けているので体への負担が大きく、降りるとドッと疲れが出ます。長距離走行ではその差は大きいです」
確かに、高速道路で窓を開けるとすごい風圧を感じますが、バイクのライダーはあの風圧を全身で受けているわけですからそれは疲れるでしょう。
「オープンカーはルーフを開けていても通常のクルマと同じであるように、構えて乗る必要がないのが良いです。
ただ、風を感じながらオープンカーに乗っていると周囲からの注目を集めがちですが、その一方で、バイクは予想以上に注目されないのに、『コケたら大怪我』という緊張感を常に感じながら乗っています。
乗り味も全然違うのですが、どちらも実用性を犠牲にしているぶん、運転する楽しさは一般的なクルマよりも大きいと思います」
オープンならではの楽しさがあると教えてくれたSさんですが、オープンカーとバイクを同時に所有したことはないといいます。
それはやはり圧倒的にバイクには実用性がないからなのだとか。そのため、バイクを所有しているときは実用性の高いクルマを選ぶようになるのだそうです。
もう1人、バイクを手放しオープンカーに乗り換えた人の意見も聞いてみましょう。Tさん(40代男性・神奈川県在住)は国産スーパースポーツのバイクを手放し、オープンカーに乗り換えた経歴の持ち主。その経緯を教えてもらいました。
「スポーツバイクを手放したのは、体力的にも精神的にあのスピードについていくのが厳しくなったからです。
バイク特有の、全身を使って走る喜びは捨て難いのですが、もう少し気軽にオープンエアを楽しみたくてMTのオープンカーにしたところ、快適性は圧倒的です。
それでいてMTを駆使してスポーティにも走れますし、風を感じたければフルオープンにすればいいのですから便利ですよ。
まぁどちらも女性から乗せてほしいといわれたことはありませんが」
それでもオープンカーはあまり長く保有できない傾向があるのだとか。その理由を聞いてみました。
「やはりクルマには便利さを求めてしまうからだと思います。2シーターのオープンですと、ちょっとした荷物ですら助手席を活用するかトランクに入れるしかありません。
人を乗せたくてもあと1名しか乗せられず、買い物でも多くの荷物は積めません。
そんなことが続くと、実用性のあるSUVやワゴンに乗り換えたくなる人が多いのでしょうね。
それでも、大切な実用性を犠牲にしてでもオープンにこだわった仕様だけあり、スピードを出さなくても十分運転を楽しめるのが魅力です。
目的地へ向かう手段というより、そこに行くこと自体が目的にできる人には一度は所有して乗ってみてほしいです」
※ ※ ※
筆者(金田ケイスケ)もアメリカンバイクも所有していますが、とにかく乗るまでに気合いが必要です。
実用性はほぼゼロなのに、ヘルメットやグローブ、ブーツなど専用装具も必要だったりします。
それでも全身で風を受けつつ、むき出しのエンジンの鼓動を聞きながら走る爽快感はジェットコースター以上。
それと比べると、オープンカーも実用性は乏しいものの、気合いも必要なく気軽かつ快適。また街中での注目度はオープンカーの方が高い気がします。
そして何より「オープンカーという贅沢な乗り物」に乗っている満足感が最大の魅力かもしれません。
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