なぜ数千万円スーパーカーに「不正改造ステッカー」貼付け? 警察大集合の海ほたるで「街頭検査」が開催された理由
7月最初の週末には、例年東京湾アクアラインの休憩施設「海ほたる」にて大規模な通称「無料車検」ともいわれる「特別街頭検査」がおこなわれます。2022年の様子はどうだったのでしょうか。
ランボやフェラーリ、LFAにも「不正改造車」のステッカーが!
毎年6月は「不正改造車を排除する運動」強化月間として、ふだんの不正改造車取締りに加えて大規模な取締りが警察機関の協力のもと、全国で強化月間中に130回以上の街頭検査が集中的に実施されています。
その強化月間が終わってすぐ、7月最初の週末には、例年東京湾アクアラインの休憩施設「海ほたる」にて大規模な通称「無料車検」ともいわれる「特別街頭検査」がおこなわれます。
2021年は悪天候のため実施が見送られましたが、2022年は7月2日の夜に実施されました。整備命令書が交付された不正改造車はどのような理由で、何台が対象となったのでしょうか。
関東運輸局は以下のように公表しています。
●実施場所:東京湾アクアライン海ほたるパーキングエリア
●日時:2022年7月2日21時から3日午前1時
●検査車両台数:28台(四輪車27台、二輪車1台)
●整備命令書交付台数:16台(四輪車15台 二輪車1台)
なお、翌3日には栃木県那須塩原市の東北自動車道黒磯板室ICにおいても街頭検査がおこなわれており、こちらは四輪車3台に整備命令書が交付されています。
海ほたるPAと板室ICにて実施された主な不正改造内容は「騒音基準を満たさないマフラー(12件)」、「違法な灯火器の取付け(8件)」、「触媒の取り外し(3件)」などという結果となっています。
対象となったクルマには「不正改造車」の赤いステッカーがフロントガラスに貼られており、保安基準に適合させるために必要な整備をおこなうよう命じられました。
ちなみに、整備命令書の交付を受けた自動車の使用者は、貼られた日を含む15日以内に不正な改造を保安基準に適合させるために必要な整備をおこなう必要があります。
その後、最寄りの運輸支局又は自動車検査登録事務所で保安基準に適合しているかどうか、車両の確認を受けてそこで適合が認められると初めて、貼られたステッカーをはがすことが可能です。
つまり、必要な整備をおこなわず自分でステッカーをはがすと道路運送車両法違反になります。
さてこの日、筆者(加藤久美子)は情報提供を受けて22時過ぎに海ほたるに到着しました。
取締りは川崎方面からでも千葉方面からでも入れる1階の大型車駐車スペースです。
大変広い場所ですが、このエリアをすべて閉鎖して取締りがおこなわれていました。
千葉県警のパトカーや警察車両が十数台、NEXCO東日本のマイクロバスやそのほか関係者の移動車両や照明のためのトラックが数台。
昼間のように明るい照明は細かい不正を見逃さないためだと思われます。何とも物々しい雰囲気でした。
取締りをおこなっているような事前告知は一切なく、海ほたるの入口近辺に十数名の警察官や検査員とみられる人々が立っており、目視と音で不正改造車の疑いがあるかを確認しているようです。
一方ここで「不正改造の疑いあり」と判断されたクルマは検査エリアに誘導されそこでクルマの周りを取り囲まれて隅々までチェックされ、マフラー音量の場合は音も計測します。
今回の場合はここで28台が検査対象となり、このうち16台に整備命令書が交付されています。
ちなみに、ランボルギーニやフェラーリといった高級スーパーカーや、レクサスが限定500台で販売した「LFA」などには不正改造車のステッカー貼られてました。