クルマの「改造届」が“運用見直し”! 手続きの“二度手間”解消とデジタル化で何が変わる? DIYユーザーやカスタムショップのメリットは

愛車のカスタマイズを楽しむ上で避けて通れないのが、保安基準への適合を確認する「改造自動車届出制度」です。この度、「自動車技術総合機構(NALTEC)」は、同制度の運用を2026年7月から大幅に見直すと発表しました。一体どのような内容なのでしょうか。

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 クルマを改造(カスタマイズなど)する際、その内容を事前に届け出る必要があります。これを「改造自動車届出制度」と呼びます。改造したクルマが保安基準に適合しているのかを、新規検査などの当日に適切かつ効率的に確認するための制度です。

 同制度は、国土交通省が管轄する道路運送車両法に基づき、独立行政法人「自動車技術総合機構(NALTEC)」が運用しています。

「改造自動車届出制度」が見直されることに!(画像はイメージ、シゲミン/PIXTA)
「改造自動車届出制度」が見直されることに!(画像はイメージ、シゲミン/PIXTA)

 同制度は、国土交通省が管轄する道路運送車両法に基づき、独立行政法人「自動車技術総合機構(NALTEC)」が運用しています。

 NALTECは、国土交通省所管のクルマに関する検査や審査、研究を行う公的機関で、クルマの安全性能だけでなく、環境性能を確保するための役割を担っています。ホームページには、「安全で環境に優しい交通社会の実現に貢献すること」と掲載されています。

「改造自動車届出制度」を守らない場合は、「不正改造車」になります。刑事罰と行政処分の対象になるほか、車検に通らなかったり、整備を断られたりする可能性もあります。

 そのほか、万一の事故の際に保険金が支払われなかったり、売却時や下取り時に車両価格が大きく下がったりするリスクもあります。

 このほどNALTECは「改造自動車届出制度の見直し」を行い、審査事務規程の一部を改正すると発表しました。2026年(令和8年)3月改正予定で、同年7月から施行される予定です。

 NALTECはその背景について、“近年の自動車技術の進展や改造形態の変化に対応していくとともに、昨今のデジタル化推進に伴い届出手続きの効率化を図っていく必要がある”こと、“また、自動車機構における自動車の構造・装置の変更等に伴う事前書面審査制度は「新規検査等届出制度」と「改造自動車届出制度」が存在し、自動車の形態によっては同一の検査において2種類の届出が必要となり、新規検査等に係る手続きが煩雑になる場合がある”ことを挙げ、これらの課題を解消するため今回の見直しに至ったとしています。

改造自動車の届出対象の見直し(出典:NALTEC)
改造自動車の届出対象の見直し(出典:NALTEC)

「改造自動車届出制度」の対象になるのは、動力伝達装置、走行装置、緩衝装置、連結装置の4つ。

 具体的に、型式が異なるエンジンへの載せ替え、排気量の変更、ATからMTなどのトランスミッションの変更、プロペラシャフトやドライブシャフトの変更、駆動方式の変更、走行装置の車軸であるアクスル位置変更(フロントからリア、リアからフロント)、サスペンション形式や懸架方式の変更、ヒッチメンバーなどの連結器の新規装着や連結器本体の変更などがあります。マフラー変更は、同制度の対象外ですが、車検対応品であることは必須です。

 誤解されがちなのが、今回のテーマである「改造自動車届出制度」と「構造等変更検査(いわゆる構造変更)」です。前者は事前の書面審査、後者は車検証の記載事項が変わる改造に対する現車検査になります。

 なお、構造等変更検査は、フレームの切断や延長、短縮、モノコックボディの構造変更、燃料の種類の変更、駆動用バッテリーの変更なども届出が必要。キャンピングカーや福祉車両などに多いシートの取り外しや追加なども構造等変更検査の対象です。

 乗車人数の変更は記載変更、キャンピング設備の新設や撤去を伴う、あるいは重量が大きく変わる際は構造等変更検査の対象になります。

 改造自動車届出制度の見直しは、“運用の見直し”であることがポイントです。具体的には、自動車メーカー純正部品を加工せずに使用する改造、アフターパーツメーカーが製造し、一般市場で流通する、いわゆる「アフターパーツ」を加工せずに使う改造など、一定条件を満たす場合は届出が不要になります。

 たとえば、市販のサスペンションキットなどを加工することなくそのまま装着した場合は、届出が不要になるわけです。

 新規検査等届出制度との統合もポイントです。改造自動車届出制度を新規検査等届出制度に統合し、オンライン届出で可能になるなど、届出手続きの効率化が図られます。

 従来は、新規検査等届出制度、改造自動車届出制度の2つの届出が必要で、紙ベースの書類提出が必要でした。審査結果通知書は今後その交付自体が行われず、全国93のNALTEC事務所で情報共有されることになります。

 さらに、届出書等の提出先も改造自動車の新規検査等を申請する運輸支局など、同一敷地内にある事務所などになります。これまでは、運輸支局と同じ敷地にあるケースもあれば、敷地が離れている地域もありました。

 カスタマイズ(改造)をプロショップやディーラーなどにお願いしていた場合、改造自動車届出制度の運用見直しは、直接的にはメリットが感じられないかもしれません。

 しかし、ショップ側の負担が減ることで、作業時間の短縮、工賃や手数料などが下がる可能性もあり得ます。もちろん、DIYなどでユーザー自身が届け出する場合は、今回の運用見直しのメリットを享受できます。

 新規検査等届出制度との統合もポイントです。改造自動車届出制度を新規検査等届出制度に統合し、オンライン届出で可能になるなど、届出手続きの効率化が図られます。

 従来は、新規検査等届出制度、改造自動車届出制度の2つの届出が必要で、紙ベースの書類提出が必要でした。審査結果通知書は今後その交付自体が行われず、全国93のNALTEC事務所で情報共有されることになります。

 さらに、届出書等の提出先も改造自動車の新規検査等を申請する運輸支局など、同一敷地内にある事務所などになります。これまでは、運輸支局と同じ敷地にあるケースもあれば、敷地が離れている地域もありました。

新規検査等届出制度との統合(出典:NALTEC)
新規検査等届出制度との統合(出典:NALTEC)

※ ※ ※
 カスタマイズ(改造)をプロショップやディーラーなどにお願いしていた場合、改造自動車届出制度の運用見直しは、直接的にはメリットが感じられないかもしれません。

 しかし、ショップ側の負担が減ることで、作業時間の短縮、工賃や手数料などが下がる可能性もあり得ます。もちろん、DIYなどでユーザー自身が届け出する場合は、今回の運用見直しのメリットを享受できます。

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Writer: 塚田 勝弘

中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー用品などのフリーライター/フリーエディターに。軽自動車からミニバン、キャンピングカーまで試乗記や使い勝手などを執筆。現在は最終生産期のマツダ・デミオのMTに乗る。

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