なぜ数千万円スーパーカーに「不正改造ステッカー」貼付け? 警察大集合の海ほたるで「街頭検査」が開催された理由
なぜ毎年7月の第一週末に「特別街頭検査」がおこなわれようになったのか?
近年、恒例となっている海ほたるにおける7月最初の無料車検ですが、そもそもなぜこのタイミングでおこなわれるのでしょうか。
取締りを主導している関東運輸局自動車技術安全部技術課の担当者は以下のように話します。
「この時期は7月7日の『セブンの日』(※RX-7をはじめとしたロータリー車の集まり)が近いこともあって、海ほたるにスポーツカーや改造車が集まる機会が増える、という理由で不正改造車の取締りをおこなっています。
2021年は天候が非常に悪かったという理由で、急遽海ほたるでの特別街頭検査は中止となりましたが、ほぼ毎年、7月最初の週末の夜におこなっています」
7月最初の週末におこなうのは「セブンの日」に関係していました。
7月7日「セブンの日」は、かつてはFCやFDなど歴代RX-7を中心にロータリーエンジンを搭載したマツダ車が大黒PAや海ほたるなどに多数集まるイベントが開催される日でした。
年々その数は増え2017年はついに大型車スペースを占拠するなどの行為が目立つようになり、警察も出動する大変な事態になりました。
これがきっかけで2018年より良識あるオーナー有志によって開催されるようになったのが「ロータリー魂」というイベントです。
2022年で第5回の開催となる「ロータリー魂2022」は、7月7日に約300台のロータリー車が千葉県茂原市のツインサーキット茂原に集結して、サーキット走行やパレードラン、各種のイベントなどが開催されます。
毎年、「7月7日、イベントの後は大黒PAや海ほたるに集まらないでください」と主催者が参加者に呼びかけていることもあってこの日に高速道路のPAに集まるセブンは年々減っているといいます。
2021年7月7日に筆者は大黒PAと海ほたるに行きましたが、実際、取締りも閉鎖も行われておらず見かけたセブンもごく少数でした。
なお、「ロータリー魂」では不正改造車の参加は禁止、仮ナンバーでの参加も禁止されています。
また2022年も会場では主催者から参加者に向けて「イベント終了後、大黒PAや海ほたるに立ち寄って長時間滞在することはやめてください」とのアナウンスが流れていました。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。