またも豪雪で北陸道でも立往生発生! なぜ関越道の教訓が生かされなかったのか?

2021年1月9日からの大雪により、北陸の高速道路や一般道で立ち往生が発生しました。2020年12月には関越自動車で雪による長時間の立ち往生が発生したばかりでしたが、今回、事前に降雪予報が発表されていたにもかかわらず、なぜまたクルマが立ち往生する事態になったのでしょうか。

準備万全でも… 結果的に大雪による立往生が発生

 2021年1月9日から11日にかけての大雪の影響により、北陸各地で高速道路や一般道で立往生が起こりました。
 
 なかでも、北陸自動車道では福井県内の福井インターチェンジから金津インターチェンジまで、最大で1000台以上が巻き込まれました。

大雪で立ち往生(イメージ)
大雪で立ち往生(イメージ)

 本稿執筆時点(1月11日朝)でも、丸岡インターチェンジから金津インターチェンジで取り残されている車両がいて、中日本高速道路(NEXCO中日本)では陸上自衛隊の応援を受け復旧作業を続けている状況です。
 このニュースで「なぜ、また?」という感想を持つ人が多いはずです。

 高速道路の立往生は、2020年12月に関越自動車道で発生しており、その教訓が生かされていないのでは、という印象があるからです。

 関越自動車道での事案では、東日本高速道路(以下、NEXCO東日本)の小畠徹社長が記者会見で「予測できなかった」として、主な原因を挙げました。

・立往生が発生した地域で観測史上最大となる24時間で113cmの大雪になったこと。
・雪が湿っていて重い質感だったこと。
・一部の大型トラックでは、使用距離がかなり長い冬タイヤを装着しており有効な性能が発揮できなかった可能性があること。
・周辺の国道など交通インフラとの連携がうまくいかなかったこと
など。

「事前に通行止めにできなかったのか」という点については、「県などの地方自治体と地元警察と弊社側との協議の在り方を今後検証する」と説明しています。

 また、東北地域での大型台風接近の際に、事前の通行止めをした事例も紹介しましたが、結果的に関越自動車道での大雪対応では、そうした決断をしなかったということになります。

 では、今回の北陸自動車道のケースはどうだったのしょうか。

 NEXCO東日本新潟支社と国土交通省北陸地方整備局は1月6日に、7日から9日かけて日本海側で大雪になる可能性が高く「予防的な通行止めの実施が見込まれる」との発表をしています。

 一方で、北陸自動車道の道路管理会社であるNEXCO中日本では、同じ6日に「大雪に関する緊急発表~不要不急の外出はお控えください~」とのリリースを出していますが、これは国土交通省・各地域整備局の発表を紹介しただけで、NECXO東日本のような「予防的な通行止めの実施」との表現は使っていません。

 その前の1月5日は、NEXCO東日本、中日本、西日本が共同で、年末年始の大雪を踏まえて、同週末における注意喚起をしているのですが、NEXCO中日本として6日以降に「予防的な通行止めの実施」を改めて強調することはありませんでした。

 ただし、1月9日には福井県と富山県がそれぞれ大雪に対する対策会議を開き、北陸では2018年12月の豪雪で国道8号線において約1500台が立往生したことを踏まえて、杉本達治知事は「2018年と同程度の大雪の可能性あり」として除雪作業など万全の体制を敷いていました。

 結果的に、福井市周辺では24時間で100cm級の積雪となり、国道8号線でも立往生が発生。北陸自動車道での立ち往生は、は国道8号線よりも深刻な状況に陥りました。

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