大型FRセダンは過去のモノ!? イカすデザインのFFセダン5選

海外では高い需要があるラージサイズのFFセダンは、スペース効率に優れ、直進安定性の高さなど、多くのメリットがあります。そこで今回は、使い勝手が良く、先進性や走りにもキラリと光る個性を持ったラージサイズのFFセダンを5台紹介します。

もはや高級車はFRである必要がない時代に突入!?

 これまで日本では、高級セダンはFR(後輪駆動)というイメージが強いですが、海外ではスペース効率や直進安定性の高さなどで、ラージサイズサイズのFF(前輪駆動)セダンの需要が高いのです。

 FF技術の進化で、大型サイズでもスムーズに走り、車内の足元中央を貫くセンタートンネルを設置する必要もないラージサイズのFFセダンが、今後は常識になっていく可能性もあります。

 そこで今回は、魅力的で個性的なラージサイズのFFセダンを5台ピックアップして紹介します。

●トヨタ「アバロン」

巨大なグリルが特徴のトヨタ「アバロン」(北米仕様)
巨大なグリルが特徴のトヨタ「アバロン」(北米仕様)

 日本のメーカーには海外専売モデルも数多くあります。たまに日本にも導入されますが、販売面で苦戦し日本市場での販売が取りやめになってしまうこともあるのです。

 その典型的なケースがトヨタ「アバロン」です。

 2代目までは日本でも販売されていましたが、3代目以降は北米市場をメインマーケットとし、独自の進化をしています。

 初代アバロンは当時の「カムリ」をベースとしつつ、3リッターV型6気筒エンジンを搭載。日本やオーストラリア向けに右ハンドルも生産され、1995年からフロアシフトを採用したモデルが日本でも発売されました。

 実用性の高さを売りに上陸しましたが、同セグメントには伝統のFRを採用する「クラウン」があり、販売面では苦戦していました。

 2000年には北米で2代目へとフルモデルチェンジし、日本仕様は車名を「プロナード」に変更し、広い室内や大きなトランクなど実用性の高さをアピールしましたが、走りに振った「アリスト」などと競合し販売面では苦戦。

 この頃からセダン人気に陰りが出はじめたことも影響し、2004年にはひっそりと販売が終了しています。

 アバロンが改めて注目を集めたのは、2018年に登場した5代目です。

 ルックスが近未来的でかなり攻めたデザインで、非常にカッコいいスタイルに進化しました。

 全長4975mm×全幅1849mm×全高1435mmというクラウンを上回るボディサイズに、3.5リッターV型6気筒エンジンと2.5リッター直列4気筒+モーターのハイブリッドというグレード展開。FFとAWDも用意されています。

 さらに、スポーツ走行を楽しめるTRD仕様までラインナップされており、日本でも販売してほしいモデルのひとつです。

●レクサス「ES」

 レクサスブランドではフラッグシップサルーンに「LS」が君臨していますが、LSに次いで大きいセダンが「ES」です。

 もともとはレクサスが誕生した1989年当時に北米で「カムリ プロミネント」のレクサス版として登場したモデル。初代は2.5リッターのV型6気筒エンジンを搭載していました。

 2代目は1991年に登場しましたが、これはトヨタでは「ウィンダム」として発売。搭載されるエンジンが3リッターとなり、スタイリッシュさがウリになっていました。

 1996年に登場した3代目でもスタイリッシュ路線は継承され、日本市場向けには、2.5リッター&3リッターV型6気筒エンジンのラインナップに再変更。

 また2001年に登場した4代目まではウィンダムとしてトヨタ版も併売されていましたが、この代で生産終了となったことを受けて、日本市場向けのESは一旦姿を消すことになります。

 そして2018年に、7代目へと大きくフルモデルチェンジしたESが久々に日本市場に復活しました。

 日本で販売されるのは、218馬力の2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッド仕様のみ。

 FF車専用のプラットフォーム「GA-K」を採用し、全長4975mm×全幅1865mm×全高1445mmと、LSよりはひと回りコンパクトでありながらもゆとりある車内空間は紛れもなくラージクラス。

 量産車として世界初の「デジタルアウターミラー」をオプション設定したことでも話題になりました。

●ホンダ「アコード」

 現在のホンダのラインナップはSUVやミニバンが主流で、セダンはラインナップが多いものの、かつての上級セダンの「インスパイア」は消滅。

 そのセグメントをカバーすべく、大型化かつ高級化されたのが「アコード」です。

 もともとアコードは2リッター前後のミドルクラスのFFセダンでしたが、弟分である「シビック」がクラスアップしたことを受けて、アッパーミドルクラスへと移行。大きく伸び伸びとしたスタイリングで高級感のあるセダンへと生まれ変わりました。

 現行モデルで10代目となるアコードは2017年に北米でデビュー。しかし、日本へは2020年に遅れて導入され、最新のハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載しています。

 全長4900mm×全幅1860mm×全高1450mmと立派なサイズでありながら、現在のこのクラスのトレンドにもなっているクーペのようなスタイリッシュなデザインとしました。

 このハイブリッドシステムは、2リッター直列4気筒エンジンと2つのモーターを組み合わせることで22.8km/L(WLTCモード)という低燃費を実現しています。

 ホンダはFF車のラインナップをメインとしていますが、北米が求めるFFセダンの形を追求した結果、アコードはラージサイズに近いサイズとなり、インテリアも含めた上級クラスへと移行。

 しかし同じクラスの輸入車との比べても遜色ない高級感は、見過ごせない魅力を放っているといえそうです。

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