バブル期は車でモテた!? トレンド化した自動車ブーム3選

デートはクルマで行くのが当たり前!?

●デートカーブーム

2代目「プレリュード」の助手席には、運転席側にもリクライニングのレバーがあった!?
2代目「プレリュード」の助手席には、運転席側にもリクライニングのレバーがあった!?

 かつて、「クルマを持っていない男はモテない」という時代がありました。1990年から1991年のバブル経済最盛期がその筆頭で、クルマがデート(ナンパ)に欠かせない必須アイテムであり、世の男たちは“女のコにウケるクルマ” 「デートカー」に競って乗ったものです。

 本格的にデートカーと呼ばれるクルマの誕生には、前段がありました。それは1981年にトヨタが発売した初代「ソアラ」です。ソアラは大ヒットし、女性誌が「女子大生が助手席に乗りたいクルマ」として特集するほどの脚光を浴びます。

 1986年に2代目にスイッチしたソアラは初代からのキープコンセプトで、さらに高級路線を突き進み、トップグレードの「3.0GTリミテッド」は、500万円に達する高額車でしたが、人気は衰えるどころか、バブル景気に乗って販売は好調を維持。

 ソアラのヒットを受けて、ホンダは2代目プレリュードを1982年に発売し、スポーツ&スペシャリティというジャンルを築き上げ、若年層から人気を博します。

 日本車離れしたワイド&ローのプロポーションがカッコ良く、プレリュードは元祖「デートカー」と呼ばれ、累計約60万台も売れました。

 1987年にデビューした3代目プレリュードは、その魅力に磨きをかけますが、1988年に5代目日産「シルビア(S13型)」という、強力なライバルが登場。

 シルビアは「アート・フォース・シルビア」というキャッチコピーを体現する優れたスタイリングの2ドアクーペで、女性からも絶大な支持を受けます。

 内装も4代目シルビアの無骨なイメージから一新し、乗員を包み込むような柔らかな曲線を多用したものに変更。

 現在、シルビアは走り屋のイメージが強いですが、当時はプレリュードと人気を二分するデートカーとして大ヒットしました。

 なお、これらのモデルの共通項として、ノッチバックの2ドアクーペという点がありますが、同時期に販売されていたトヨタ「スープラ」やマツダ「サバンナRX-7」のようなハッチバックは、あまり女性には受けなかったようです。

 いまもクルマでデートという文化は残っていますが、大学生くらいの年齢でマイカーを持つのは少数派となって久しい状況で、かつてのように男はクルマを持っていて当たり前のような常識は、通用しなくなっています。

※ ※ ※

 1980年代から1990年代にかけてヒットしたクルマは、現在、世界的に人気があり、中古車の価格が高騰しています。

 高騰の理由は、さまざまな要因がありますが、当時、欲しくても買えなかった人が買うという動向も、少なからずあるようです。

 かつて憧れたクルマを手に入れて、青春時代の情景が蘇るというのも、素敵なことではないでしょうか。

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