なぜ6MT車のRギア位置は違う? 絶滅危惧されるMT車の現状とは
6速MT車には、リバースギアの位置が異なる車種があります。全体左上の1速の隣か全体右下の6速の隣という2パターンに分かれますが、なぜリバースギアの位置は異なっているのでしょうか。
なぜ6速MT車のリバースギアは位置が異なるのか
クルマのトランスミッションには、大きく分けてオートマティックトランスミッション(AT)とマニュアルトランスミッション(MT)が存在。MTは、自分の手と足を使いシフトチェンジをおこなうため日常使いでは不便な面もあり最近では減少傾向です。
そんなMTですが、車種によってシフトパターンが異なり、なかでも「R(リバース)」の位置はさまざまです。なぜ、車種によってシフト配置が異なるのでしょうか。
現在、国内で販売される新車の98%以上がAT車(CVT含む)とされており、MTを採用しているのは、スポーティモデルや一部の業務用車両がほとんどです。
MTは、自分の手と足を使いシフトチェンジをおこなうため、スポーツ走行を好む人には苦ではありませんが操作が苦手な人や日常で使うにはATやCVTの方が操作性が楽なことから、最近の新型車ではあまりMTを採用していません。
基本的なシフトパターンとして、ほとんどのMTが上列左から「1、3、5速」、下列左から「2、4、6速」となっています。
5速MT車の場合、右下にリバースが配置されることで、上下ともに3つずつバランス良く並びます。しかし、6速MT車の場合、リバースを含めると全7段となるため、リバースを配する場所には各メーカーで異なるようです。
たとえば、国産メーカーのトヨタ「カローラスポーツ」やマツダ「ロードスター」のMT車では、リバースが1速の左隣となり全体で見ると一番左上にあり、ホンダ「シビック タイプR」のMT車の場合、リバースは6速右隣で全体で見ると一番右下に配置されています。
なお、スバルの「WRX STI」は全体右下ですが、「BRZ」は全体左上と同じメーカーにも関わらず異なっています。
自動車メーカー各社に、6速MT車のリバース位置について問い合わせたところ、「とくに、リバースの位置に理由はない」、「トランスミッションの製造メーカーがそういう設定だったから」、「かつてのレーシングパターンの名残かもしれません」という、明確な理由は無いようでした。
唯一、構造上の理由を上げた担当者は「エンジンの搭載位置が縦置き・横置きでトランスミッションのレイアウトも変わると思います。それがリバースの位置に直接的に関係しているかは分かりませんが、少なからず影響はあると思います」と説明します。
また、5速MTと6速MTを採用する基準として、大手自動車メーカーの広報担当者は、次のように話します。
「軽自動車や小排気量の場合、高速走行時でもそこまで高い速度域を求めることは少ないです。そのため、5速MTを採用している例がほとんどです。
また、ひと昔前のスポーツモデルでも5速MT車は多かったですが、大排気量化や技術の進歩などによって最近のスポーツモデルや大排気量モデルでは高速域の使用や燃費の観点から6速MTを採用していると思います」
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なお、前述のレーシングパターンとは、全体の右上から「R、2、4速」となり、左下から「1、3、5速」となっている方式です。これは、スポーツ走行時に2速と3速を多用することから直線的な操作で素早くシフトチェンジをおこなえるため、レーシングパターンという呼称になったといいます。
また、最近の新型車では5速か6速が大半を占めています。理論上は、多段化したほうが効率が良くなりますが、現実的に多段化すると部品点数が多くなり構造が複雑するため、重量やコストの増加に繋がるため、5速か6速の採用がほとんどです。
しかし、ポルシェ「911」やシボレー「コルベット(C7)」、アストンマーティン「ヴァンテージS(V12)」といった一部のハイパフォーマンスカーには、超高速領域用の7速をもった7速MTを採用しています。
5MTでもRが違う位置にある車は多々あったろが、古いところではチェリーの後継の初代パルサー(通称パルサーワールド)
A14型と5MTの組み合わせ
ブルーバードのL18EのSSS最終型式など