新車で27万円! ヤマハ「“新”スクーター」販売店への反響は!? リッター51.9km走る! 「新色が出ても静か」「パッとした反響はない」のになぜ「ジョグ125」は“指名買い”が続くのか
ヤマハは2026年3月19日に、原付二種スクーター「JOG125」の最新モデルを発売します。50cc原付の排ガス規制に伴う生産終了や、その代替として登場した新基準原付の導入が話題となるなか、現場の販売店ではどのような反響が起きているのでしょうか。
なぜ選ばれる?ジョグ125の確かな需要とは
2026年2月17日、ヤマハから軽量・コンパクトな原付二種スクーター「JOG125」の2026年モデルが発表され、同年3月19日に発売されます。
新色「ダークグレーイッシュブルーソリッドB」が加わり全4色展開となった最新のJOG125ですが、世間を騒がせている「原付一種(50cc)の排ガス規制問題」や、いわゆる「新基準原付(4.0kW以下に最高出力を制限した125cc車両)」の足音が聞こえるなかで、このJOG125が市場でどう受け止められているのか、販売店に現状を聞いてみました。
バイクの新型車、特に新色が追加されるタイミングといえば、通常は予約が殺到したり、問い合わせの電話が鳴り止まなかったりするものです。しかし、JOG125の2026年モデルに対する販売店の反応は、拍子抜けするほど静かなものでした。
「JOG 125」の人気は未だ健在!
千葉県のYSP船橋の担当者は、こう語ります。
「正直なところ、新色が出たからといって特別すごく売れているというわけではありません。かといって、まったく売れていないわけでもない。常に一定の需要があり、新色のリリースの影響をほとんど受けずに、いつも通り安定しています」
この「安定感」は他の地域でも同様で、静岡県のYSP袋井でも、非常にシビアな市場の反応を教えてくれました。
「もともとそんなに数が流通している車種ではありません。価格重視で、あくまで生活の足として選ばれるバイクですから、新色を待ってから買うというお客様はほとんどいらっしゃらないのが現実です。カラーバリエーションよりも、安くて便利という一点に価値を置く方が多いですね」
バイクファンが熱狂する「ニューカラー」という魔法が、JOG125の前ではほとんど効力を発揮していないというのです。これはメーカーにとっては少し寂しい話かもしれませんが、実はここにJOG125というバイクの本質が隠されています。
長野県のYSP長野中央では、より深刻な現場の悩みが浮き彫りになっていました。
「今、小さいバイクでお客様から一番多く問い合わせをいただくのは、実はJOG125でもJOG ONEでもなく、すでに車両供給が厳しくなっている50ccの原付なんです。JOG125の新色追加に関しても、販売状況に大きな変化はありません。今はとにかく、元の50cc原付を今のうちに買っておきたいという方が圧倒的に多いですね」
ここで現在の法律と規制について整理しておきましょう。 周知の通り、2025年11月から適用された新たな排出ガス規制(平成32年排出ガス規制)により、現行の50ccエンジンでは規制をクリアすることが技術的にもコスト的にも非常に困難となりました。
これを受け、2025年4月からは総排気量125cc以下の車両であっても、最高出力を4kW(約5.4馬力)以下に制限したものを「新基準原付(原付一種)」として扱う制度がスタートしています。
しかし、現場のユーザーはまだこの「新基準原付」に対して慎重な構えを見せており、「やはり50ccがいい」や「125ccは免許が必要だから(原付二種の場合)」といった戸惑いがある中で、純粋な原付二種モデルであるJOG125は少し特殊な立ち位置に置かれています。
そんな中、販売店が口を揃えて言うのは、JOG125は「カタログを見てワクワクして買うバイクではない」ということ。
しかし、それ以上に強力な「指名買い」が存在するというのです。YSP袋井の担当者が指摘するように、JOG125は「安くて便利、普段の足を探しているお客様」の最終回答になっているのが実際のところでしょう。
では、なぜ競合他車ではなくJOG125なのかというと、そこには最新のブルーコアエンジンの高い燃費性能(WMTCモード値 51.9km/L)はもちろんですが、最大の理由は「圧倒的な軽さ」にあると考えられます。
JOG125の車両重量はわずか95kg。これはヤマハの原付二種スクーターの中でも最軽量で、既に生産が終了している50ccの「JOG」が78kgであることを考えると、排気量が2.5倍になっても重量増はわずか17kgに抑えられているということになります。
そして気になる価格(消費税込)は27万600円。原付二種スクーターとしては最廉価クラスに位置しており、コスト重視のユーザーにとっても納得感の高い設定です。
「50ccから乗り換えたいけれど、重いバイクは取り回しが不安」 や「駐輪場が狭いので、コンパクトな車体が絶対条件」など、切実に足としてのバイクを求めるユーザーの悩みにJOG125はピタリと寄り添うモデルとなっているのです。
販売店での反応が無反応で安定しているのは、このバイクがもはや趣味の対象ではなく、生活インフラとして完全に信頼され、定着している証拠とも言えるでしょう。
一連の取材を通じて感じたのはJOG125に対する過度な期待のなさこそが、最大の賛辞であるということ。
派手なプロモーションや新色の追加に右往左往することなく、淡々と、しかし確実に人々の生活を支え続ける立ち位置を確立しており、YSP船橋の担当者が言う「何も影響を受けず安定している」という言葉は、裏を返せば景気やトレンドに左右されない不変の価値を持っていることに他なりません。
50cc原付が大きな転換期を迎え、将来の移動手段に不安を抱えるユーザーも多い中、JOG125は「今、ここにある確かな選択肢」として君臨しているのです。
「新色がきれいだから買う」のではなく、「JOG125だから買う」。 そんな指名買いが続く限り、この小さなスクーターは日本の街角を走り続けるはずです。
50cc原付の時代が終わって新基準原付が登場し、電動バイクの波も押し寄せている現在もJOG125は変わらず、日本のどこかで誰かの「今日の足」であり続けているのです。

一方、関西圏の販売店担当者は、免許区分によるユーザーの選択について次のように語ります。
「新基準原付は既存モデルとボディを共有するため、納期の遅延を心配されるお客様が多い印象です。
そのため、『既に普通二輪免許を持っているので、どうせ維持費が変わらないなら制限のない原付二種がいい』というお客様や、『二段階右折が不要なので走るのが楽だ』と話すお客様が非常に目立ちます。
また、制限速度がクルマと同じ60km/hとなる原付二種を、交通の流れに乗りやすく実用的と評価する声も少なくありません」。
3月19日に発売される同社の新型モデル「JOG ONE」や、ホンダ製のモデルが少しずつ出揃い、新基準原付が普及しようとしている一方で、走行性能を重視する層にとってJOG 125はこれまで以上に有力な選択肢となっているようです。
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JOG 125は、軽量さと低燃費により日常の足として確固たる地位を築いているようです。
また、新基準原付の導入は結果として、JOG 125ccをはじめとした原付二種が持つ「制限のない125cc」としての価値を浮き彫りにしました。
価格と使い勝手のバランスに優れた原付二種は、今後も確実に需要を高めていくことが予想されます。
新基準原付の登場によって、フルパワーで走れる「本来の原付二種」の魅力が、改めて見直されるタイミングに来ているのかもしれません。
































