なぜ6MT車のRギア位置は違う? 絶滅危惧されるMT車の現状とは
走行時に間違えてリバースギアに入れたらどうなる?
このように、MTにもメーカーによって多少の違いがありますが、ドライバーが混乱することはないのでしょうか。
たとえば、普段6速MTに慣れた人が5速MTのクルマに乗った場合、いつものように5速から6速にシフトチェンジすると、リバースギアに入れてしまうことになります。
リバース以外のギアであれば、変速ショックこそありますが、さほど問題はないように思えます。しかし、高速走行時からリバースギアに入れてしまうとまったく逆方向の力が働いてしまうことになり、大事故もしくは故障の原因になってしまうのではないでしょうか。

結論からいえば、当然そのようなケースは想定されているため、走行中にリバースギアに入れることはできないようになっています。
シフトアップ及びシフトダウンする場合、それぞれのギアの回転数を合わせる必要がありますが、かつてはこの操作が非常に難しく、戦前のクラシックカーなどでは熟練の技術がないとスムーズなシフトチェンジができませんでした。
しかし、近年のMTにはシンクロナイザーリングと呼ばれる、各ギアの回転数を合わせるための機構が備わっており、以前ほどシビアに回転数を合わせなくても、スムーズなシフトチェンジが可能です。
しかし、リバースギアにはこのシンクロナイザーリングが備わっていません。そのため、リバースギアに入れるためには、回転数を厳密に合わせる必要があります。
また、そもそもリバースギアには、力を逆回転に伝えるためのアイドルギアと呼ばれるギアが搭載されており、クルマが前方向へ進む力が働いている状態では噛み合わないようになっています。
つまり、ギアの回転数が完全に合った状態に加え、クルマが前方向へ進む力が働いていない状態、すなわちクルマが完全に停止した状態でないと、リバースギアに入らないようになっているのです。
日本国内では、ほぼ絶滅危惧種になっているMT車ですが、世界的に見れば耐久性の高さや修理のしやすさ、そしてコストの低さからまだまだ必要不可欠な存在だといえます。
5MTでもRが違う位置にある車は多々あったろが、古いところではチェリーの後継の初代パルサー(通称パルサーワールド)
A14型と5MTの組み合わせ
ブルーバードのL18EのSSS最終型式など
調査不足の記事。
メーカーの広報に聞いたところで、自動車の歴史には疎いのでテキトーな回答しか来ませんよ。
リバースの位置は、設計者の開発意図と仕向け地を何処を優先にするかで変わります。
欧州中心とする場合とレースを主体目的にした場合は、左上をリバースにする傾向があります。
初代ゴルフが成功した時、左上リバースだったのでそのまま左上リバースがデファクトとなりました。
2↔3速を直線にすることにより、欧州のクルマの流れにも適合したのもあります。
元々は、英国ヒューランド社の変速機が左上リバースだったことに起因します。
一方、日本では、1速から順番じゃないと気が済まない性格と、ボルグワーナー社の変速機が右下リバースだったことが要因で、そのまま右下リバースがデファクトになりました。
日本の交通事情にも使いやすかったからです。
最近の日本車でも左上リバースがあるのは、欧州を主戦場にしているからです。
例外は日産の5速MTで、今で言うコンパクトクラスに左上リバースを採用した車種がありました。
雑誌まで巻き込んで論争が起きましたが、トヨタ↔日産に乗り換えた時に不便だと揶揄されて、製造を止めてしまいました。
リバースリングを無しとする場合、シフトノブをプッシュリバース、もしくはプルリバースにすることによって、誤操作を防いでいます。