日産「新型“7人乗り”GTカー」誕生! “三種の神器”搭載で「後席も酔わない」フラットな走りを実現! 強豪「アルファード」にリベンジ挑む“最上級”グランドツアラー「新型エルグランド」のリアルな評価とは!

ライバルの台頭とその後の長い沈黙により、市場での立ち位置が大きく変化した日産「エルグランド」が、16年ぶりのフルモデルチェンジを実施しました。自動車研究家 山本シンヤ氏が実車の試乗や開発者への取材を通じて検証した、新型エルグランドの思想と走りの真髄についてじっくり紐解いていきます。

新型エルグランドの「思想」と「走りの真髄」とは

 かつてはフラッグシップミニバンの代名詞として君臨しながらも、ライバルの台頭とその後の長い沈黙により、市場での立ち位置が大きく変化した日産「エルグランド」が、今回実に16年ぶりに全面刷新されました。
 
 果たして新型エルグランドは、過熱する高級ミニバン市場において何を提示するのでしょう。王者の帰還か、それとも裸の王様なのか。
 
 今回、一般公道での試乗をもとに、その思想と走りの真髄を紐解きたいと思います。

 新型エルグランドの開発テーマは「ビジネスクラス・グランドツアラー」です。

 要するに単なる移動手段としての多人数乗車空間ではなく、ステアリングを握るドライバーも、後席に身を委ねるパッセンジャーも、すべての乗員が長距離移動をストレスなく楽しめるキャラクターが徹底して追求されています。

 この考えは、歴代モデルはもちろんそのご先祖さまにあたる「キャラバン/ホーミー」のV型6気筒「VG30」エンジン搭載車から脈々と受け継がれてきた独自の価値といえます。

 ただ、誤解してほしくないのは、新型エルグランドは単なるドライバー偏重の「走りのミニバン」ではないという点です。

 走る・曲がる・止まるというクルマの本質を高めることで、結果としてすべての乗員を快適にするというアプローチを探っているところが、従来と大きく変わった部分です。

新型エルグランドの「思想」と「走りの真髄」とは
新型エルグランドの「思想」と「走りの真髄」とは

 エクステリアは“あえて”ギラついたメッキ加飾に頼ることなく、ボディカラーとブラックのコントラスト、そして伸びやかで踏ん張り感のあるプロポーションによって圧倒的な存在感を放っています。

 フロントマスクは日本の伝統工芸である“組子細工”から着想を得たグラフィックが施され、夜間には横一文字のリヤコンビランプとともに洗練された表情を見せてくれます。

 サイドからリアにかけては流れるような伸びやかなルーフラインとワイドスタンスにより、大柄なミニバンでありながらスピード感と堂々とした風格が見事に共存しています。

 ただ、そんな車体に対して標準ホイールのデザインが控えめすぎて、踏ん張り感が少なめなのが残念なところ。個人的には純正オプションで設定されるBBS製鍛造アルミホイールの装着をおススメしたいところです。

 なお新型エルグランドは車両重量が重い(G e-4ORCE:2440kg)ので、アフター商品のセレクトはくれぐれもご慎重に……。

 インテリアには水平基調のインパネに、12.3インチの大型統合ディスプレイ(モノリス)がスマートに配置されています。

 シフトセレクターは最新日産車定番のプッシュボタンを採用し、すっきりとしたセンターコンソールを形成していますが、指紋が付きやすい表面処理は要改善項目だと感じました。

 また、スライドドアスイッチがインパネ運転席右下のやや奥まった位置に配置されている点も、日常の使い勝手を考えると見直してほしい部分です。

 ただ、左右独立型の非接触充電トレイや実用的な収納の配置により、ドライバーを中心としたパーソナルな包まれ感もしっかりと演出されています。

 シートにはフロント/2列目共に日産独自の「ゼログラビティシート」を採用し、長時間のドライブでも疲れにくい体圧分散を徹底しています。

 見た目の豪華さこそライバルに負けるかもしれませんが、オットマン付きのセカンドシートは、乗員が自然にリラックスでき、横揺れにも強い実用的な着座姿勢を提供してくれます。

 格納式のアームレストやシンプルな操作系によって、シート横のスペースを活用できるなど、リアルな使い勝手における「座る自由度」はむしろ一枚上手です。

 先代は輸出(北米で「クエスト」として販売)の兼ね合いから全高は抑えられていましたが、新型エルグランドはこのクラスの標準の高さに刷新されています。

 今回はそれを活かして1列目から3列目にかけて徐々に着座位置が高くなる「シアターレイアウト」を採用しています。

 実際に座ると、2列目・3列目の乗員にも抜けの良い前方視界が確保されており、シックで落ち着いたインテリアカラーでありながらも、ツインサンルーフと相まってパーソナルでありつつ圧迫感のない居住空間を作り上げています。

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