「ヤリス」と「アクア」がまとう唯一無二のデザイン トヨタの“アートラリーカー”はどのようにして誕生したのか? ヘラルボニーとタッグで挑む“単なる支援にとどまらない”新たなモビリティの形【PR】
広島県で開催されたラリーレースで、障害のある作家のアート作品を鮮やかにまとった2台のトヨタ車が注目を集めました。福祉を起点に新たな文化を創出する「ヘラルボニー」との共創で誕生したこのラリーカー。単なる支援にとどまらず、アートの力でモビリティの価値を高め、作家に「移動の機会」を提供するトヨタの想いと、その取り組みの裏側に迫ります。
「仲間として一緒に」 “素敵”と声をかけられるラリーカーが誕生した理由
2026年8月22日、23日の2日間、広島県安芸高田市で「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ in 安芸高田」が開催されました。全55台がエントリーした今回のレースで、一際目を引く2台のラリーカーがありました。
トヨタの社内チームC&A Racingが駆る「アクア Yuina 『無題』」と「はばたく ヤリス」です。両車がまとうのは、障害のある作家が描いたアート作品。
なぜこのようなラリーカーが誕生したのか、その目的や込められた想いはどのようなものなのか、取り組みに関わる方々に取材しました。

「Mobility for All」(すべての人に移動の自由を)というメッセージを掲げるトヨタは、障害のある人たちの多様性を尊重し、活躍の場を広げるための取り組みを長らく続けてきました。
1996年以降は、NPO法人「エイブル・アート・ジャパン」と協力し、フォーラムの開催や社内での啓発活動、障害者アートの業務用ラッピングバスやラッピングカー作成などを行っています。
また、全国の販売店でも地域の福祉施設とMobility for Allを実現するための活動を行ってきたそうですが、トヨタ自動車 Mid-size Vehicle Company MS統括部 部付 経営企画グループ 主査の木全 厚氏は「これまではメセナ活動(芸術文化支援活動)や社員への多様性理解の啓発を主として取り組んでいました」と語ります。
「こういう素晴らしいアートをきっかけに、我々が展開する商品の価値を高められないのか、新たな付加価値にできないのか、そしてそれを還元してもっと社会に貢献できないかというような考えは、これまで形にできていませんでした。
色々な仲間の皆さんと一緒に、世の中に対してアプローチしていきたいという想いがあるなかで、ご縁があってヘラルボニーさんと一緒にやらせていただくことになりました」(木全氏)

ヘラルボニーは、2018年に岩手県で設立されたクリエイティブカンパニーです。障害のイメージを変えること、福祉を起点に新たな文化を創出することを目指しています。
同社は、障害のある作家が描く2000点以上のアート作品をIPライセンスとして管理し、正当なロイヤリティを支払うことで持続可能なビジネスモデルを確立。自社ブランド「HERALBONY」ではアパレル、雑貨、インテリア、原画などを販売しています。
また、企業との共創やクリエイティブを通じた企画・プロデュース、社員研修プログラムを提供するほか、2024年には国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」を立ち上げるなど、さまざまな事業を展開しています。
その理念に共鳴したトヨタは、HERALBONY Art Prizeに初回から共創パートナーとして参画し、「トヨタ自動車賞」を授賞しています。さらに、受賞作はラリーチャレンジに参戦するラリーカーにラッピングされ出走。作品をモチーフとしたカー用品も販売しています。
木全氏が強調するのは、ヘラルボニーと共に行う活動が単なる支援、ボランティアではないという点です。
「Mobility for Allというキーワードを軸にして、“私たちも仲間として一緒にやっていきたい”という想いが強くあります。
障害のある人を支援しようというふうには思っていなくて、皆さんのアートを見てもらうと、作品として素晴らしいんです。それがどうしても障害のある人の作品だと、支援してあげているというような、そういう形に捉えられがちですけども、ただ純粋に、パーフェクトですごいと思います。
なので、本当にそういう人たちを支援するなんて申し訳なくて。どちらかというと一緒になって、私たちもこのアートの力でいいモビリティ、いい商品を出していきたい。そして、その活動を通じて作家さんに“移動の機会”を提供していきたいと考えています」
移動の機会を提供する、それがラリーチャレンジにアートラッピングカーで参戦している理由の一つでもあります。
木全氏によれば、日本では障害のある人の4人に1人が出かけることに対して障壁や困難、ためらいを抱えているとのこと。
「例えば車椅子で利用できるトイレが少ないといった問題もありますし、物理的・精神的にさまざまな課題が生じています。私たちのクルマの作家さんも、こういう賑やかな場所には積極的に来ようとは、なかなか思われなかったと思います。
けれども、ラリーチャレンジそのものの雰囲気、地域によって盛り上げる大会というベースがあるので、作家さんたちに来ていただけるのです。日本各地から作家さんもラリーカーと現地の雰囲気を楽しみにされている。
今まで行けなかったところだとか、見られなかった景色が見られるのです。モビリティというのが“移動する”だけではなくて、“心を動かす”という意味を持つ。クルマに乗って移動してきてくれるというのはもちろん、クルマをきっかけに移動してきてくれる。
そして色んな人との出会いや感動を生むというような、それも“モビリティ”の役割や効果なのではないかなと思いながらやっているので、ラリーチャレンジに参加するのは意義あることだと考えています」
2026年で3年目となるアートラリーカーの出走。会場では多くの注目を集めているようです。
「いわゆるレース車両のスポーティーだったり、アグレッシブなグラフィックとは少し違う世界観になっているので、他のチームからの注目も増えてきているのかなとも思います。
また、レース当日になると一般のお客様、お子様もたくさんいるので目を引いたり、実際競技に出ていてもスタート時やリエゾンで『クルマかわいい』とか『素敵!』という声をいただきます。
レースカーは、カッコいいと言われることはあるのですが、素敵っていう言葉はなかなか聞けないので嬉しいですね」



















































