ラーメン・カツ丼・ゲーム・ジャンボ黒にんにく…!? 守備範囲が広すぎる秋田の「24時間自販機コーナー」に行ってみた ~昭和のドライブイン巡り・秋田「雲沢観光ドライブイン」編~
昭和という時代の“空気感”を色濃く残すドライブインは、ある種のノスタルジーや普段は見過ごしがちな大切なモノを思い出させてくれる気がします。今回の目的地は、秋田県仙北市の「雲沢観光ドライブイン」。お目当ては、「24時間営業の自販機コーナー」です。
旅館に和風レストラン、24時間営業の自販機コーナーまであるドライブイン!?
高度経済成長期のマイカーブームとともに激増したドライブインは、現在ではその役割を「道の駅」やサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少していると言われています。
その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、多くのファンから根強く支持されているのです。
武家屋敷の町並みで知られる、秋田県仙北市の角館町(かくのだてまち)。「雲沢観光ドライブイン」は、宿泊や食事に加え、24時間営業の自販機コーナーも備える、なんとも守備範囲の広いドライブインです。
同店が位置するのは、現在の国道341号、かつての国道46号沿いにあります。
敷地内には、白壁と木の柱が印象的な「旅館 雲沢」、瓦屋根の「和風レストラン」、少し離れた場所には「自販機・ゲームコーナー」が並びます。いずれも年季を感じさせる、昔ながらの佇まいです。
![チャーシューらしきこの1枚はもしや…!?[Photo:のぐちまさひろ]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/09/2060925_AKITA_KUMOZAWA_DRIVE-IN_000.jpg?v=1790319928)
和風レストランの営業時間は、11時から14時まで。到着したのは、すでに営業を終えたあとでしたが、それは織り込み済み。目指したのは、隣接する24時間営業の「自販機・ゲームコーナー」です。
店先にはバイクが並び、中にはツーリング途中のライダーたちの姿も。さっそく入ってみます。
“追いレンジ10秒”の小技も! 「ラーメン」「カツ丼」「黒にんにく」までなんでも揃う充実ぶり
外の暑さから逃げ込んだつもりが、扉の中も「暑っ……」。自販機コーナーの中にも、真夏の熱気がこもっていました。
壁沿いにはドリンク類をはじめ、さまざまな自販機がずらり。その中でも目を引くのが、昔ながらの麺類自販機です。
とはいえ、このタイプは、千葉県成田市の「オートパーラーシオヤ」で経験済み。前回は「天ぷらそば」をいただいているので、硬貨を入れてボタンを押し、出来上がりを待つまでの勝手は分かっています。
ただし、雲沢にはシオヤでは見なかった“小技”がありました。
自販機には、「天ぷらうどんを電子レンジで10秒間温めて食べると美味しいです。電子レンジ2番です」との案内が。完成後に“追いレンジ10秒”。電子レンジの「2番」ボタンを押すだけという、誰でも手軽に試せる小技です。
その並びにはカップ麺やカツ丼の姿も。さらに「ジャンボ黒にんにく」、奥にはゲーム機まであります。ラーメン、カツ丼、黒にんにく、ゲーム――。ジャンルはバラバラ。でも、妙にしっくりきます。
店内をぐるりと見回したところで、そろそろ腹ごしらえです。“追いレンジ10秒”の小技を見つけたものの、選んだのはあえての「ラーメン」(400円)です。
自販機コーナーに冷房付きの“オアシス”を発見!
400円を投入して「ラーメン」のボタンを押すと、カウントダウンがスタート。
ほどなくして取出口を開けると、白い器に入ったラーメンが姿を現しました。
具材はメンマ、ナルト、ネギなど。チャーシューらしき一枚もありますが、どう見ても薄切りのハム(涙)。まだ食べてもいないのに、少しだけ現実を見せられます。
気を取り直して、いただきます……といきたいところですが、問題は猛烈な暑さ。真夏の熱気がこもる自販機コーナーで、手元には熱々のラーメン。結果的に、自分で自分を追い込む形になりました。
そんなときに見つけたのが、道路側にあるテラス風の窓際席です。ガラスで仕切られた空間には、なんとエアコンまで完備。あるじゃないですか、オアシスが!
中では先客のライダーたちがひと休みしていましたが、こちらが入ると、さりげなく席を立ってくれました。ありがたく使わせてもらい、ようやく実食です。
ひと口すすってみると、正直「旨い!」と唸る味ではありません。麺もスープもいたって素朴で、例のハムも見た目どおりの慎ましさです。それでも、不思議と満足感は残ります。
自販機のカウントダウンを眺め、ラーメンを受け取り、涼しい窓際席でひと休み。
味そのもの以上に、「雲沢で食べた」という体験が残る。そんな一杯でした。
積み重なる器と「足跡帳」……旅人たちが残していくもの
ラーメンを食べ終えて自販機コーナーに戻ると、ゴミ箱の脇に置かれた青いタライには、使い終えた白い器がきれいに積み重ねられていました。
割り箸や弁当容器もまとめられ、思っていた以上に多くの人が腹ごしらえしたことが分かります。
そして、もうひとつ目に留まったのが「足跡帳」です。
ページをめくれば、この場所を訪れた人たちの書き込みがずらり。いつ、どこから来たのか。何を食べたのか。何気ないひと言もあれば、思わず笑ってしまうものまで、旅人たちの“小さな記録”が積み重なっていました。
ドライブインは、立ち寄って、休んで、また走り出す場所。旅人が去ったあとも、食べ終えた器や足跡帳には、その気配が少しずつ残っていきます。
クルマ旅では、目的地で出会った何気ない場面ほど、あとから妙に残るものです。
いま思い返しても浮かぶのは、あの自販機、薄切りのハム、そして冷房の効いた窓際席。
雲沢観光ドライブインは、次にこのエリアを走るときもまた寄りたくなる……そんな場所でした。

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■雲沢観光ドライブイン
所在地:秋田県仙北市角館町雲然字山口66-12
営業時間:11時00分~14時00分(和風レストラン)、24時間(自販機・ゲームコーナー)
定休日:日曜(和風レストラン)、なし(自販機・ゲームコーナー)
Writer: のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/小型船舶2級/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、直近1年間のハンデ推移は「7.7」→「8.6」→「7.1」→「5.6」。




















































































