日産「新型“7人乗り”GTカー」誕生! “三種の神器”搭載で「後席も酔わない」フラットな走りを実現! 強豪「アルファード」にリベンジ挑む“最上級”グランドツアラー「新型エルグランド」のリアルな評価とは!
ライバルの台頭とその後の長い沈黙により、市場での立ち位置が大きく変化した日産「エルグランド」が、16年ぶりのフルモデルチェンジを実施しました。自動車研究家 山本シンヤ氏が実車の試乗や開発者への取材を通じて検証した、新型エルグランドの思想と走りの真髄についてじっくり紐解いていきます。
日産の最新「電動化技術」と「シャシー制御」を惜しげもなく投入
メカニズムは日産の最新電動化技術とシャシー制御を惜しげもなく投入しています。
パワートレインは第3世代「e-POWER」を採用。発電専用に最適化された新開発の1.5リッター直列3気筒「ZR15DDTe型」エンジン(140ps・228Nm)で、「エクストレイル」の第2世代e-POWERとは別物です。
高効率な燃費スイートスポットを広く取りつつも力強い出力を発揮します。

新たな電動化ユニットは、モーター、インバーター、減速機、増速機、発電機を1つの強固なモジュールに集約した「5-in-1」構造を採用。個々のユニットを締結していた従来構造に比べてユニット全体の剛性が大幅に向上し、エンジンルーム側からの振動や異音の発生源を物理的に抑制しています。
ちなみに前後に搭載されるモーター(フロント151kW・300Nm/リア100kW・195Nm)のシステム合算トルクは、5リッターV型8気筒エンジン並みの500Nm以上を誇り、車両重量2.5トン級の巨躯をアクセル操作の初期からよどみなく滑らかに加速させてくれます。
プラットフォームは基本骨格こそ従来型がベースですが、バッテリーパックや前後モーターといった電動化コンポーネントの搭載に伴い、フロア構造から骨格の結合部に至るまで大規模な再設計が行なわれており、ほぼ新設計といっていい進化を遂げています。
車体には高張力鋼板の適用拡大と構造用接着剤の多用によって結合剛性を大きく引き上げると同時に、フロアの共振周波数を人の耳に届きにくい帯域へとシフト。これにより、どのシートに座ってもフラットかつ強固な剛性感を実現しています。
この基本素性に加えて“三種の神器”をフル活用しながら、走りと快適性の両立を支えています。
それが「e-POWER」と「e-4ORCE」(電動駆動4輪制御システム)、「インテリジェントダイナミックサスペンション」(電子制御ダンパー)を緻密にリンクさせた“統合制御”です。
発進から旋回、停止に至るあらゆるシーンで、クルマの挙動と乗員の頭部揺れをフラットに保ちます。
その効果の1つ目が「加減速・停止時のフラットライド制御(ピッチング抑制&スムースストップ)」です。
アクセル操作やブレーキングの過渡域では、前後モーターの駆動力・回生配分をミリ秒単位で制御しながら、4輪の電子制御ダンパー減衰力を瞬時に最適化。これにより、加速時のスクワットや減速時のノーズダイブ、それに伴う頭の揺り返しを徹底的に遮断します。
さらに停止直前には、回生ブレーキと油圧ブレーキの減速度を緻密に抜き取る「スムースストップ機能」がシームレスに連動。不快な“カックンブレーキ”を完全に解消し、同乗者が気づかないほど滑らかな完全停止を実現しています。
効果2つ目は「意のままのライントレースを生む旋回頭出し制御(スリップアングル最適化)」です。
ステアリングを切り込んだ瞬間、駆動トルクを素早く後輪へシフトさせてフロントタイヤの横力を解放しつつ、旋回内輪へわずかにブレーキを介入。同時に外側ダンパーの踏ん張りを高めることで、ロールを抑えながらノーズをスッとイン側へ引き込みます。
その結果、大柄なミニバン特有のアンダーステアやもたつきを一切感じさせず、切り始めから最小限の舵角で思い通りのラインへ導く俊敏な回頭性を生み出しています。


















































































