貴重な三菱の「2階建てキング」&「超ロングトレーラー」を運転! 公道最大級レベルの「超ド級マシン」2台はどれだけ難しい!? マニア感涙の「運転体験」 日本旅行が開催 イベントの様子は

日本旅行は2026年5月23日、「三菱ふそう二階建車エアロキング・日野プロフィア3軸牽引車トレーラー運転体験」を開催しました。大型バスと大型トレーラーを運転できるという貴重な体験会となっています。

編集部員も空き時間でエアロキング&プロフィア+トレーラーを体験!

 少々の空き時間があったため、くるまのニュース編集部員の大型車好きNも体験させてもらいました。人生初の大型車の運転です。しかもよりによってエアロキングとトレーラー。運転には自信があったのですが、なんだか急に緊張してきました。

 まずはエアロキングから。隣には先出の大ベテラン 森さんが同乗。厳しい指導が入ったらどうしようと不安がよぎります。

三菱ふそう「エアロキング」の運転席周り
三菱ふそう「エアロキング」の運転席周り

 コクピットに座ると、まず視界の良さに驚きました。少々緊張が和らぎます。ミラーの大きさも巨大です。死角の多い大型車だけに、いかに視界の良さが重要かがわかります。シートも前後や高さの調整の幅が広く、運転しやすい環境が構築されています。

 ステアリングは巨大です。いわゆる「10時10分」の位置で持つのが難しく、バスのドライバーさんが「8時8分」で持っている理由がわかります。ちなみにステアリングの操舵力はパワステのアシスト力が強いため、軽く操作できます。余談ですがエンジンキーは往年の三菱車と同様です。

 ポジションの調整が完了したらいよいよ走り出します。と、その前に乗降扉を閉めなくてはなりません。右肘の位置にあるコンソールには、前扉と中扉のスイッチがあり、パチンと倒してエアーで作動します。「プー」というブザー音がなり、ゆっくりとドアが閉まります。

 思わず「ドア閉まります。ご注意ください」と脳内アナウンスが流れてきます。自分の操作でブザー音とともに閉扉する様子を見ていると、「あっ、これって公共交通機関なんだな。これからバスを運転するんだな」と実感します。

 クラッチを踏み、ハンドルの左下にあるエアー式のフィンガーシフトをカチッと操作し、2速に入れます。乗員に不快な振動を与えないよう、半クラで操作します。

 しかし、ここで大失態を犯してしまいました。ホイールパーク(パーキングブレーキ)の解除を忘れたのです。通常のサイドブレーキでも電動でもなく、小型のレバーがシート左にあるだけのため、すっかり失念してしまいました。あえなくエンストです。恥ずかしい。

 森さんのアドバイスのもと、落ち着いてエンジンをかけなおし、出発です。

 走り出しは非常にスムーズです。エンジンも力強く、直進安定性もかなり良い印象です。外周路を少々オーバースピードで突っ込んでみたところ、ブレーキの効きの良さもかなりで、ハンドルも切れるため、難なくコーナーを通過できました。

 しかし、乗客のことは一切考える余裕がありません。一応参加者は他の参加者の運転体験でも自由に乗車できるのですが、おそらくは恐怖を感じるブレーキとハンドルさばきだったに違いありません。

 ようやく緊張がほどけたと思いきや、森さんから「ここ(右折で)入ってください。コースをショートカットするように」と指示が。狭いパイロンを通り抜けるクランクコースです。額には汗が滲み、手が震えそうです。

 視界の良さと小回りの効きを活用し、ノロノロ運転でクリア。プロならばすんなりと行けるはずですが、これでは遅延してしまいます。再び外周路に戻り、ようやくゴールです。

難易度「規格外」 激ムズ「トレーラー」は?

 続いてトレーラーの運転です。まず運転席にたどり着くまでに手すりにつかまり、数段のステップに登り…と、まさに「運転席によじ登る」感覚です。

 最新のプロフィアのインテリアはかなりスタイリッシュです。ブラウン系のコーディネートに調整幅の広いエアーシートで、運転環境の良さが光ります。

 隣に藤原運輸のプロドライバーさんを乗せ、いよいよ出発です。コクピットの左下にシフトダイヤルがあり、こちらをDに入れて走り出します。ホイールパークはしっかり解除しました。

日野「プロフィア」+トレーラーのミラーからの眺め
日野「プロフィア」+トレーラーのミラーからの眺め

 大きなハンドルには補助器具の「ハンドルスピンナー」が装着されています。このドライバーさんのものだそうで、結構装着している人が多いのだといいます。

「正直狭いところでくるくるハンドルを回すのがしんどいので、スピンナーが役に立っています」。

 AMT車なのでアクセルを踏まないとクリープがありませんが、ドライバーさんいわく「そっちのほうが楽」なのだとか。力強いエンジン音とともに発進します。やはり重い車両を前で引っ張っている感覚があります。不思議です。

 後ろにかなり重いトレーラーを牽いているにも関わらず、意外なほどに軽やかに走り出します。「乗用車とはトルクが全然違いますから」と話してくれました。

 しばらく外周路を走ったところで、「そのへんのパイロンの間をテキトーに入ってください」と指示が。急に緊張が走ります。「(内側の)右を気にしておいてください」とアドバイスをもらいます。内輪差に注意が必要だそうです。

 さきほどのエアロキングと同じように、外から回り込めばいいのかと思いきや、違いました。かなりギリギリでとりあえずクリアしました。

最後は記念撮影
最後は記念撮影

 ホッとしたのもつかの間、「S字入っていきましょうか」と指示。普通に走るだけでこれだけ気を遣うのに、まさかのS字突入指示に絶句です。

「ハンドルを左に回しながら大きくパイロンの角を攻める感じで、ゆっくり回ってください」。まだ車両感覚に全く慣れていないのに、「パイロンの角を攻める」って。それは難しすぎではありませんか。

 あたふたしているときに、隣のドライバーさんは「大丈夫ですよ」と優しく声をかけてくれます。

 しかしトラブル発生です。パイロンを倒してしまいました。事故です。コース内なのでもちろん何ら問題はないのですが、こちらとしては気持ちがかなり凹んでしまいました。プロドライバーの技術のすごさを感じるとともに、トレーラーは何年経ってもまともに運転できないのではないかと少々悲しくなります。

 ドライバーさんの操作の指示のもと、その後はスムーズにクリアすることができました。さすが、助手席からの指示も的確で、「ここで切り始め」「戻して」とそのとおりにすると通り抜けることができます。

「尊敬に値しますね」と感想を述べると、ドライバーさんは笑ってくれました。「僕らはこれしかできないですから」。いやいや、トレーラーを運転できるのは相当大変ですよ。身を持って実感しました。

※ ※ ※

 普段、何気なく見かけるバス&トレーラーも、かなりの運転技量が必要なことがよくわかる運転体験イベント。大型車マニアだけではなく、気軽に「運転してみたい」という思いだけでも参加する価値は大いにあります。

 さらに、実は今回の体験会は、運転しない「見学プラン」も用意されています。エアロキングやプロフィアの勇姿を心ゆくまで堪能できることから、鉄道やバスが好きだという中学2年生の親子の姿も見えました。

 先出の西日本ジェイアールバスの野々瀬さんによると、大手事業者である西日本ジェイアールバスでさえも運転士不足は深刻だと話します。中学生の参加者はバス業界ではもしかすると将来有望な金の卵なのかもしれません。

 こうしたイベントをきっかけに、バス運転の楽しさや、人を乗せて運ぶというやりがいを見つけられればいいですね。

 また、西日本ジェイアールバスのエアロキングは完全引退が迫っているとのことで、イベントで登場するチャンスも残り少ないかもしれません。体験イベントが気になった方は、日本旅行の公式サイトなどで、開催の告知のチェックを忘れないことをおすすめします。

 なお、日本旅行ではこうした運転体験イベントのほか、奈良交通「八木新宮線」などの秘境バス路線ツアーなども開催。バスマニアのみならず、秘境スポット好きやバス旅がしたいという人にぴったりなツアーを多数開催。こちらに参加してみても面白いはずです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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