「V8」エンジン搭載の新「“超高級”2ドアクーペ」世界初公開! 全長5.2mの流麗ボディに巨大“シャークノーズ”採用! 新生ブランドが示す「ビジョンBMWアルピナ」伊国で登場

BMWアルピナは2026年5月15日(現地時間)、イタリアで開催された「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ2026」において、新たなブランド像を示すコンセプトカー「ビジョン BMWアルピナ」を世界初公開しました。どのようなモデルなのでしょうか。

「7シリーズ」ベースのBMWアルピナ現る!

 BMWアルピナは2026年5月15日(現地時間)、イタリア北部・コモ湖畔の高級ホテル「ヴィラデステ」で開催された「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ2026」において、新たなコンセプトカー「ビジョン BMWアルピナ(VISION BMW ALPINA)」を世界初公開しました。

 ヴィラデステはイタリアを代表する高級ホテルのひとつで、毎年、この時期にはBMWグループが協賛するコンクールデレガンス「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」が開催されます。ビジョンBMWアルピナは、このイベントの前夜祭で発表されました。

 ビジョンBMWアルピナは全長5200mmの巨大な2ドアクーペ。サイドから見ると、その伸びやかなプロポーションが実に印象的です。ボディサイドにキャラクターラインがほとんど設けられず、滑らかな曲面で表現されるのは最近の自動車デザインの傾向ですが、ビジョンBMWアルピナもその例に漏れず、ボディサイドは飾り気のないクリーンな曲面で構成されています。

 そうしたなかに、ボディ前端から後方に向けて一直線に駆け上るスピードラインを設けることで、ある種の疾走感を控えめに表現しているように思えます。

シャークノーズデザインを採用したフロントフェイスが強烈な存在感を放つ
シャークノーズデザインを採用したフロントフェイスが強烈な存在感を放つ

 フロント周りのデザインはさらに印象的です。

 まず、視線を奪われるのは、その巨大なキドニーグリルでしょう。しかも、キドニーグリルを2枚の大きなプレートで塞いだデザインも実に独創的です。その、グリル内に冷却気を取り込もうとする意思が感じられないデザインから、「ビジョンBMWアルピナはEV(電気自動車)?」と訝しがる方がいるかもしれませんが、どうやらこのコンセプトカーはV型8気筒エンジンを搭載しているらしく、事前のプレゼンテーションでは実際にそのエンジンを始動してエキゾーストノートを聞くことができました。

 そのサウンドからも、またボディ後端にテールパイプが4本設けられている事実からも、ビジョンBMWアルピナにV8エンジンが積まれていることは間違いなさそうです。

 もうひとつ、このフロントセクションで独創的なのが、ボディの中心部が左右よりも前方に突き出した「シャークノーズ・デザイン」を採用している点にあります。

 シャークノーズ・デザインは1930〜1940年代の超高級車に採用された例があるほか、1950〜1960年代のレーシングカーでも用いられたことがあります。その鋭くとがったノーズのデザインは、空気を力強く切り裂くハイパフォーマンスカーに相応しい造形といえます。

BMWアルピナらしいラグジュアリーさを表現したインテリア
BMWアルピナらしいラグジュアリーさを表現したインテリア

 このシャークノーズの下には、歴代BMWアルピナでお馴染みのフロントエアダムが取り付けられているほか、立体的に表現されたALPINAの文字が見えます。これもまた、BMWアルピナの特長を現代的に再解釈したデザインといえそうです。

 もう一度、目を凝らしてボディサイドを眺めると、そこに、伝統のアルピナ・ストライプがうっすらと描かれていることに気づくでしょう。しかし、鎖をかたどったように見えるデザインは、従来に比べると線が細く、色も控えめであまり目立ちません。

 デザイナーによると、これまでのアルピナ・ストライプはステッカーやデカールだったため、指で触ると段差があることに気づきましたが、ビジョンBMWアルピナのストライプは職人が手作業でペイントしたうえからクリアを塗装しているため、手で触っても段差を感じないように仕上げたそうです。私も実際に触ってみましたが、段差はまるで感じませんでした。

 また、アルピナ・ストライプを従来よりも控えめな存在感としたのは、様々なボディーカラーにもマッチできると同時に、アルピナ・ストライプの色を様々に変えることで、これを目立たせることも、反対に目立たせなくすることもできるようにするため、との説明を受けました。

 そのほか、キャブレターのエアファンエルとクランクシャフトをモチーフとしたアルピナ伝統のロゴマークは、赤や青をあしらったものからモノトーンに改められています。

 これもロゴマークの強烈な印象を多少なりとも弱めることが目的だったそうですが、それでも従来のデザインを継承しつつ新生BMWアルピナにこのロゴを盛り込んだところに、アルピナの伝統を尊重しようとするデザイナー陣の思いを見たような気がしました。

 ボディ後端も中央部が突き出たようなイメージの造形とされており、フロントのシャークノーズを反復するかのような意図がうかがえます。そしてBMWのブランド・ロゴの下に“ALPINA”の文字を添えることで、これがBMWグループのなかでも特別な存在であることを控えめに表現しています。

 今回発表されたビジョンBMWアルピナはあくまでもデザインコンセプトであって、これらの造形がすべて量産モデルに採用されるわけではなく、最終的なデザインは市場からの反応を見て決めるといいます。

 関係者によれば、初の新生BMWアルピナはV8エンジンを積んだ「7シリーズ」をベースとする模様で、およそ1年後に発表される見通し。個人的には、このエレガントなスタイリングができるだけ多く量産モデルにも採用されることを期待しています。

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