ホンダ斬新「“4人乗り”軽トラ」がスゴイ! “公道走行”可能な「ドアなし×屋根なし」仕様! 超レトロな「丸目フェイス」が個性的な“バモスホンダ”とは!
今から半世紀以上も前に、ホンダは現代のアウトドアブームを予見していたかのような、独創的なレジャー向け車両を販売していました。
ホンダ斬新「“4人乗り”軽トラ」がスゴイ!
心地よい初夏の風を感じる2026年5月。
ゴールデンウィークの連休を利用して、キャンプやバーベキューなど、大自然の中でアウトドアレジャーを満喫したという人も多いのではないでしょうか。
近年はそうしたレジャーの相棒として、SUVやクロスオーバー車が大流行しています。
しかし、今から半世紀以上も前に、まるで現代のアウトドアブームを予見していたかのような、極めて独創的なレジャー向け車両がホンダから販売されていました。
それこそが、1970年に誕生した「バモスホンダ」です。
ホンダの“バモス”といえば、1999年に登場して長きにわたって親しまれた箱型の軽乗用車、いわゆる軽バンを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、その名前の元祖である初代バモスは、現在では考えられないような奇抜なスタイルを持った「オープンカーの軽トラック」でした。

当時のホンダが誇る軽トラックをベースに開発されたバモスホンダの最大の特徴は、なんといってもその開放的すぎるボディ構造にあります。
屋根はキャンバストップと呼ばれる布製の幌で、両サイドにはドアが一切ありません。
乗員の転落を防ぐための金属製バーが1本備わっているだけで、外の空気や風を直接肌で感じることができるという、まさにバギーのようなスパルタンな作りとなっていました。
フロントの顔つきも非常に個性的で、丸目のヘッドライトの間にスペアタイヤがドーンとマウント。
それがまるで愛嬌のある鼻のように見えることから、一度見たら忘れられない独特の可愛らしさを放っていました。
さらに驚くべきはインテリアの実用性です。
急な雨などで車内が濡れたり、泥汚れが付いたりしても問題ないように、メーターやスイッチ類には防水・防塵処理が施されていました。
シートも水や汚れに強い素材で作られており、汚れたらホースで水をかけて丸洗いできるという、タフな使用を想定した本気の設計がなされていたのです。
ラインナップには、シンプルな「2人乗り」のほか、「4人乗り」そして幌が全体を覆う「フルホロ仕様」が用意されていました。
ホンダはこのクルマを、農作業や配達といった従来の軽トラックの用途にとどまらず、海や山でのレジャー、さらには施設内のパトロールなど、幅広い用途で遊べるクルマとして市場に投入しました。
しかし、1970年当時の日本はまだクルマといえば実用性や高級感が求められる時代であり、「レジャーのためにクルマを買う」という文化自体がほとんど根付いていませんでした。
くわえて、ドアがないため雨風をしのぐのが難しく、日常の足として使うにはあまりにもハードルが高かったのです。
その結果、時代を先取りしすぎたバモスホンダは販売面で苦戦を強いられ、登場からわずか3年ほどで生産終了となってしまいました。
総生産台数は約2500台と言われており、商業的には成功とは言い難い結果です。
しかし、それから長い年月が経過した現在、バモスホンダの評価は大きく変わっています。
空前のアウトドアブームのなかで、そのミリタリーテイスト溢れる無骨なスタイルと、遊び心にあふれたコンセプトが再評価されているのです。
現存する車両は極めて少なく、クラシックカー市場では「幻のレア車」として愛好家の間で取引されるほどの人気を誇っています。
利益や効率だけを追い求めるのではなく、「こんなクルマがあったら楽しいのではないか」という純粋なワクワク感を形にしてしまったホンダのチャレンジ精神。
半世紀前に生まれたドアのない小さな軽トラックは、現代の私たちが忘れてしまいがちなクルマ本来の楽しさを、今もなお静かに伝えてくれているような気がします。
Writer: くるまのニュース編集部
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