トヨタ新「GRヤリス MORIZO RR」まもなく登場! “ニュル仕込み”の走りと「専用の似合外装」を採用! 「これ本当にGRヤリス!?」と驚く快適性とは? 2026年5月下旬申込開始の“特別仕様車”を試乗!
2020年の登場以来、進化を続けるトヨタ「GRヤリス」。今回登場した「MORIZO RR」は、最新の「26式GRヤリス」をベースに、ニュルブルクリンク24時間レースで培った技術やノウハウを投入した特別仕様車です。その走りの実力を、自動車研究家の山本シンヤ氏が試乗しました。
速さを“余裕”として使える「大人のGRヤリス」
撮影車両は右ハンドルですが、試乗車は左ハンドル仕様(ドライバーモニターなど装備が若干異なる)でした。その走りを一言で表すなら、「走る道/走るシーンを選ばない、理想のGRヤリス」です。
ステアリング系は基準車以上に抵抗感が少なく、スッキリしたフィールで、LBX MORIZO RRを上回る質感。
驚いたのは、そのフットワークです。旋回時は基準車よりもロールを許容するタイプですが、単に“緩い”わけではありません。
少ないロール量ながらも、ロールスピードがゆっくりかつ繊細に制御されているため、サスペンションを上手く沈み込ませながら、実に滑らかに曲がっていきます。

ロールを味方につけることで、“力づく”ではなく“自然”なコーナリングとなり、結果としてクルマとドライバーの対話性はより濃密になっています。
今回は全開走行ではありませんでしたが、モリゾウ氏の言う「神に祈る時間(コーナーでアンダーステアが発生し、コントロールできなくなる瞬間のこと)」も、このサスペンションセットならかなり減っているのではないかと想像できます。
快適性は「本当にGRヤリス?」と疑うほど高いレベル。フリクション感の少ないしなやかな足さばき、入力の伝わり方の上手さ(とにかくカドが丸い)、減衰の効かせ方が人間の波長に合っているなど、実にいなしの効いた乗り心地です。
このようにスポーツ性とコンフォート性が絶妙にバランスされた走りは、アドレナリンが湧き出るようなワクワク感とはまた違い、より冷静にクルマと向き合えることに“旨味”を感じるハンドリングだと思いました。
欲を言うなら、エンジンとトランスミッションにも、このフットワークに見合ったモードが欲しいところ。
例えばECOモードを置き換える形で、「GTモード(よりスムーズなトルク特性+滑らかなシフト制御仕様)」などが実現できれば、さらに理想に近づくかもしれません。

そろそろ結論にいきましょう。GRヤリス MORIZO RRは、基準車以上に「駆け抜けなくても喜び」を味わえる1台です。
高速道路の追い越し車線や、ワインディングの二車線区間で目を三角にして飛ばしていくクルマを横目に、「あの方たちは心に余裕がないのね。ご苦労さま」と笑って見送ることができる。いわば「金持ちケンカせず」といった余裕の走りを備えています。
高性能なのは間違いありません。しかし、それをあえてひけらかさない“したたかさ”を持つ、大人のGRヤリスです。
余談ですが、筆者は24式をベースに、そんな走りを目指してカスタマイズを行なっています。
方向性としては「意外といい線いってるな」と思う反面、この完成度の高さには「ちょっと真似できないな」と脱帽です。
日本向けは限定100台。かなり狭き門ですが、筆者は全力で応募してみたいと思います。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。































































































