誰もが二度見する「18億円」! “オフィスビル”が建つ価格の「幻のポルシェ」販売! 世界「現存2台」のうち“走行可能な奇跡の1台”が登場! ポルシェ「904/8」AMCで展示
数えきれない数字がならぶ販売価格に、思わず「ええーっ!」と声が出てしまうようなクルマが、「オートモビルカウンシル2026」に展示されました。どのようなクルマなのでしょうか。
じゅ、18億円!? マジっすか!
毎年4月に開催される「オートモビルカウンシル」の大きな特徴は、展示されるクルマの多くが「購入可能」な展示即売会の側面も持っていることです。そのため販売可能な展示車には価格が表示されています。
2026年4月10日から12日にかけて開催された「オートモビルカウンシル2026」では、なんと販売価格「18億円」のクルマが展示され、大きな話題を呼びました。
プライスボードには「税込 1,800,000,000円」と書かれており、来場者が「1億8千万円?」と思い数字を数えると、18億円と気づいてさらにびっくり、という場面も見られました(筆者:遠藤イヅルもそうでした)。
ちなみに18億円ともなると、15階建てマンション、30階建てオフィスビル、防災センターなどの中規模公共施設が建設できるそうです。
その18億円のクルマとは、ポルシェ「904/8」です。
「904(904GTS)」と聞いて、古くからクルマを知る人やファンなら、「日産スカイラインと戦ったポルシェだ」と思い出すかもしれません。
![18億円のプライスタグを掲げたポルシェ「904/8」[オートモビルカウンシル2026/デルタクラシックブース]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/04/20260421_porsche_904_dash8_020.jpg?v=1776763097)
ポルシェ904は1963年に発表されたレーシングカーで、それまでの主力だった「356」ベースの「2000GS-GT(通称カレラ2)」と異なり、強固なはしご型フレーム+FRPボディおよびエンジンをミッド搭載して、さらに戦闘力をアップしていました。
レーシングカーですが、「量産型」というのもポルシェらしいポイント。当時の「GT-II」クラスのホモロゲーション(認証)取得のために100台以上が生産され、約29万マルク(1960年代当時のレートで約290万円・日本円も当時の金額)で販売されました。
904のエンジンはカレラ2用の2リッター水平対向4気筒DOHCエンジンを引き継ぎつつも、冷却性能のアップを主とした改良を実施。最高出力も130psから180psへと増強しています。
1964年から参戦を開始して、セブリング12時間レースではフォード「GT40」やフェラーリ「275P」が競う中でクラス優勝を獲得。タルガ・フローリオでは1・2フィニッシュ、ル・マン24時間でも総合順位で上位に食い込むなど、目覚ましい活躍を見せました。
いっぽう日本では、同年5月に第2回日本グランプリを迎えています。
第1回日本グランプリで惨敗したプリンス(当時・現:日産)は、雪辱を晴らすために1.5リッタークラスのファミリーサルーン「スカイライン」のノーズを伸ばし、「グロリア」用の2リッター直列6気筒エンジンを突貫工事で押し込んだ「2000GT」を投入。勝利は確実と思われていました。
ところが、突如904が公式予選中に出現。箱型セダンと異なる、明らかに速そうなレーシングマシンの登場にサーキットはざわつきました。
しかしレースでは、6台のスカイラインが予想以上に904に食らいつき、一瞬ではあるもののスカイラインが904を抜いたのです。来場者は総立ちとなりました。
優勝は904が飾りましたが、スカイラインの奮戦は多くの人の心に刻まれました。これが「スカイライン伝説」のはじまりとされています。
その後904は、「911」用の6気筒エンジンを載せた「904/6(906)」と、F1用の1.5リッターエンジンをベースとした2リッターV型8気筒に換装した「904/8」に発展します。
1965年におけるポルシェのレース活動では、主力をこの両モデルが担い、幾多の優秀な戦績を重ねました。
どちらも生産台数は少なく、904/6は10台、904/8は数台のみといわれています。
しかも904/8の現存車はたった2台で、1台はポルシェミュージアム、そしてもう一台はまさにこの展示車、しかも走行可能なのはこれだけとのこと。驚くほど希少なクルマなのがわかります。
展示したのは、大阪府吹田市にショップを置くクラシックカー専門店のデルタクラシックス。
代表取締役社長の丸山修二氏に話を伺ったところ、この904/8はシャーシナンバー「009」。1964年のニュルブルクリンク1000kmでは総合5位と2リッタープロトタイプクラスで1位、1964・1965年のル・マン24時間にも出場した個体そのものだといいます。
この904/8、数年前までドイツのコレクターが所有していたもの。丸山氏は、なんとしても手に入れたいと考えましたが、当時でも相当な高額だったそうです。
そこで同氏は、少なくない台数のコレクションを手放し、「究極の一台」を手に入れることができたそうです。
904/8のように、生産台数が少ないだけでなく残存数もわずかで、輝かしい歴史を持っているクルマは、自動車博物館などでしかお目にかかれないもの。
そんな夢のようなクルマを見られる(しかも「買える」)オートモビルカウンシルというイベントの奥深さにも驚かされます。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。























