スズキ新型「コンパクトSUV」に注目! メーカー初の高性能パワトレ搭載なのに価格は「ヤリスクロス」並み! 斬新ハンドル&シフト装着する「eビターラ」とは!
国内のBEV普及はまだわずかですが、スズキから登場した「eビターラ」が注目を集めています。高性能なモーターを積みながら、補助金を使えば「ヤリスクロス」並みの価格で買えるのが魅力です。どのようなモデルなのでしょうか。
高性能パワトレ搭載なのに価格は「ヤリスクロス」並み!
eビターラのグレード構成は、ベーシックな「X」(2WDのみ)と上級の「Z」(2WDと4WD)です。Xの駆動用リチウムイオン電池は、総電力量が49kWhで、1回の充電によりWLTCモードで433kmを走行できます。Zの駆動用リチウムイオン電池は61kWhで、1回の充電により2WDは520km、4WDは472kmを走行できます。
動力性能はベーシックなX・2WDでも不満はありません。最高出力は106kW(144馬力)、最大トルクは193Nm(19.7kg-m)です。モーターの特性として、アクセルペダルを踏み込むと駆動力が即座に高まり、運転しやすく感じます。

足まわりは少し硬めの設定です。そのために乗り心地も、特に低速域では路上の細かなデコボコを伝えやすいと感じる人がいるかもしれません。
一方で、ステアリング操作に対する反応は適度に機敏で、車両は進行方向を正確に変えます。下り坂のカーブを曲がる時は、後輪の接地性が高く、危険を避ける時でも挙動を乱しにくいです。
価格(消費税込)は、X・2WDが399万3000円で、Z・2WDは448万8000円です。Zは駆動用リチウムイオン電池の拡大に加えて、運転席の電動調節機能、プレミアムサウンドシステム、ガラスルーフなども標準装着するため、価格がXよりも49万5000円高いです。
Zに追加装着されるこれらの装備は、必要不可欠な内容ではないため、買い得グレードは価格を抑えたX・2WDでしょう。
eビターラの購入に際して、国から交付される補助金は全グレードが98万円です。そうなると安価なX・2WDは、価格の割に受け取れる補助金額が多く、補助金額を引いた実質価格は301万3000円です。
このeビターラX・2WDの実質価格は、ほぼ同じサイズのボディにハイブリッドのe-POWERを搭載するコンパクトSUVの日産キックスX(308万3300円)、トヨタ「ヤリスクロス ハイブリッドZ」(299万円)などに近いです。
つまりeビターラは、ハイブリッドの感覚で購入できる割安なBEVといえそうです。
それなのに1か月の売れ行きは、多い時でも180台程度に留まります。販売店では「eビターラは、お客様からの問い合わせが少なく、購入する方もスズキの関係者が目立ちます」といいます。
スズキの場合、国内販売総数の約80%が軽自動車で占められ、小型車は残りの約20%と少数派です。しかもBEVで、全幅が1800mmの3ナンバー車とeビターラを、スズキが即座に大量に売るのは困難です。
それでも国内販売を諦めず、売り続けることが大切です。前述のようにeビターラは、日本の道路環境に合ったお買い得なBEVですから、少しずつ、確実に売れ行きを増やしていくでしょう。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。







































