「まだ新車で買えるの!?」 三菱の「超レトロ仕様デリカ」があった! 45年も「フルモデルチェンジなし」で現役続投中! 格安&超・実用重視の「L300」アジア“ご長寿”モデルに注目
1979年に登場した三菱「デリカ」が、海外では未だに新車販売されているのをご存知でしょうか。そんな初代デリカの「最新モデル」を紹介します。
インドネシアではなんと発売から45年!
日本ではとっくの昔に販売が終わっているクルマが、海外ではまだ現役というケースは少なくありません。
1979年に登場した三菱「デリカ」もそのひとつです。長きにわたり愛されている理由も探ります。
三菱の「デリカ」といえば、「ジープ」や「パジェロ」並みの悪路走破能力を持つ7シーターミニバンとして独自の存在感を示す「デリカD:5」や、その弟分でスズキ「ソリオ」のOEM車である「デリカD:2」、デリカD:5のタフなイメージを投影した軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」に、その名を残しています。
しかし、本来デリカは商用モデルとしてスタートしました。初代のデビューは1968年のこと。「デリカといえば4WD」というイメージは1979年登場の2代目以降で確立され、乗用版の「デリカスターワゴン」「デリカスペースギア」なども人気を博しました。
なお商用モデルの「デリカバン」は、1999年以降はマツダ「ボンゴ」や日産「NV200バネット」のOEM車として販売を続けていましたが、2019年に販売を終えています。

ところがそれは日本国内でのお話。海外では、なんとカクカクボディが特徴の2代目デリカをまだ新車で手に入れることができるのです。
そのクルマの名は「L300」。現在もフィリピンとインドネシアで生産・販売が継続中です。
三菱のフィリピン現地法人であるミツビシ・モーターズ・フィリピンズ・コーポレーション(MMPC)では、三方開きのトラック「ドロップサイド」、冷蔵車の「クールテック冷蔵バン」、一般的な箱型バンボディの「アルミバン」、11名が乗車できるキャビンを載せた「モダンPUVクラス1(最新型公共交通車両)」、同じく15〜17人の乗員を運べる「FB(ファミリービジネス)」などを用意しています。
エンジンは、ユーロ4をクリアした「4N14型」を2019年から搭載。4N14型はインタークーラー付き可変ノズルターボを備えた2.2リッターディーゼルエンジンで、最高出力98馬力を発生します。トランスミッションは5速マニュアルのみで、実にシンプルです。
いっぽうインドネシアの現地法人ピーティー・ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(MMKI)が作るL300は「コルトL300」と呼ばれており、1981年から生産を開始。現在は一方開きの「フラットデッキトラック」と、自由に架装可能な「キャブシャーシ」の2種類で展開しています。
よく見るとフィリピン版とはグリルが異なっているのが興味深いところです。2022年に4回目のマイナーチェンジを受け、現在の姿となりました。さらにフィリピン版は左ハンドルですが、インドネシア版は右ハンドルという違いもあります。
エンジンはこちらも4N14型ですが、搭載は2023年と少し遅めです。MMKIのユーロ4対応が遅れたためか、2022年から2023年の間はいち早く4N14型を搭載した フィリピン版を輸入してしのいでいたといいます。
それにしてもL300は2026年現在、フィリピンでは39年、インドネシアでは45年も生産が続いている「超ご長寿車」です。
新車で販売されたクルマは、やがて中古車市場に流れます。個体によっては、その後幾度も中古車として販売され、新しいオーナーに変わっていくでしょう。
しかし、それが数十年間モデルチェンジを行なっていないクルマだと、その期間に新車・中古車ともに同じクルマがずっと流通することになります。
このように同じクルマが長期にわたり供給されると、どこでもパーツの入手が可能となります。修理工場でも、同じクルマを何度も直すためメンテナンスや修理が容易で、かつどこでも直すことができます。
減価償却もおおむね終わっていると思われるため、新車価格も下げられます。また道具に徹する商用車で装備・性能が水準以上であるなら、設計が古くても充分、と市場が受け入れていることも大きいでしょう。
それが、L300が長きにわたり代替えをしない理由かと思われます。
参考までにL300の販売価格は、フィリピンのL300「FB」が約83万フィリピンドル(約215万円)、インドネシアではコルトL300「フラットデッキトラック」が約2億5000万ルピー(約240万円)。
インドネシアでピックアップトラック「トライトン」のダブルキャブを購入しようと思うと、日本円で400〜500万円が必要ですので、コルトL300は充分に安価といえるでしょう。
最新のエンジンを載せたL300は、まだまだこれからも生産が続くはずです。日本車が異国の地で、多くの人に長い間愛されていると思うと、なんだか誇らしくなりますね。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。














































