全長4.2m! マツダの「斬新2+2スポーツカー」に再注目! 「RX-8」と「ロードスター」が合体!? 「ガルウィング」採用で2007年に公開の“絶世美クーペ”コンセプト「流雅」とは
マツダは、かつて自然界の「流れ」を造形に投影したコンセプトカーを発表しています。独創的なフォルムと巨大なガルウィングドアを備えたこの一台は、はたしてどのような未来を提示したのでしょうか。
マツダが描いた「流れ」のスポーツクーペ! 独創のパッケージング
かつてマツダは、自然界に存在する「流れ」の動きを造形に取り入れた「NAGARE(流れ)」コンセプトを掲げたデザインスタディを展開していました。
その一環として、都市で映えるスポーティなクーペとして提案されたモデルが「流雅(Ryuga/リューガ)」でした。
この車名は、文字通り「優雅な流れ」を意味し、「Nagare(流れ)」のコンセプトを発展させた名称で、2007年1月の北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で世界初公開されました。
開発の背景には、マツダが掲げていた「Zoom-Zoom」の世界観をさらに深化させる狙いがあり、アクティブでスタイリッシュな若い世代をターゲットとしていました。
デザイン上の大きな特徴は、サイドパネルに刻まれた深い陰影を持つ、流れるようなラインです。これは光の当たり方によってボディに豊かな表情を与える「流れ」のテクスチャーとして表現されています。
また、ルーフまで大きく回り込む大型のデュアル・ガルウィングドアを採用しており、開閉時にはコンセプトカーらしい存在感を放っていました。
ボディサイズは全長4280mm×全幅1900mm×全高1260mm、ホイールベースは2800mmに設定されました。

全長に対して極めて長いホイールベースが、安定感のあるロー&ワイドなプロポーションを実現しています。この独自の比率は、室内空間の確保とスポーティなスタンスを両立させるための、マツダらしい緻密な計算に基づいた設計でした。
足元には21インチという巨大なホイール(タイヤサイズは245/35R21)を装着。ホイールデザインは、エンジンの冷却ファンを連想させるような独特の形状で、細部に至るまで「流れ」のテーマが貫かれていました。
キャビンは、2+2のレイアウトを採用した4人乗りで、インテリアでは浮遊感のあるセンターコンソールや、上部が開いた形状のステアリングホイールなど、未来的な雰囲気を演出。機能性と感性を高い次元で融合させた、ドライバーの高揚感を高めるための空間が構築されていました。
また、室内照明には柔らかい光を放つ間接照明を多用し、デザインテーマである「流れ」が外装から内装へと連続するように演出されていました。
シート形状やインパネの造形もまた、有機的なラインを多用することで、乗員が包み込まれるような安心感と、スポーツドライビングへの期待感を同時に抱かせる独創的な仕上がりとなっていました。
パワートレインは、詳細スペックが明らかにされていませんでしたが「E85燃料(バイオエタノール85%とガソリン15%を混ぜた混合燃料)」を使用する2.5リッターエンジンに6速ATを組み合わせたFF(前輪駆動)を採用したことが発表されていました。
スポーツカーとしての楽しさを維持しつつ、環境性能への配慮も具現化していたことがわかります。
注目すべきは、プラットフォームに、2003年から2013年まで販売していたスポーツカー「RX-8」のプラットフォームをフロントに、リアに「ロードスター」のプラットフォームを組み合わせていたことです。
“RX-8とロードスターのあいのこ”とも言える、マツダファンには心躍るプラットフォームを採用した流雅でしたが、市販化には至りませんでした。
※ ※ ※
コンセプトカーで終わってしまった流雅でしたが、マツダはその後にNAGAREの後継となり、かつ現在のデザインテーマにもなっている「魂動(コドウ)」をリリースしています。
流雅のデザインの考え方の根源は、現在のマツダのデザインの布石にもなっていたと言えるでしょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。






































































