マツダの「“2人乗り”FRスポーツカー」が斬新すぎる! 「RX-8」超えの進化した「1.6Lロータリーエンジン」搭載! 流麗ボディで空力を極めた「TAIKI」とは!
かつてマツダは自然界の「流れ」を造形に投影したコンセプトカーを披露しました。独創的なフォルムと次世代ロータリーエンジン「16X」の搭載を想定したこの一台は、はたしてどのような未来を提示したのでしょうか。
マツダの「“2人乗り”FRスポーツカー」が斬新すぎる!
かつてマツダは、自然界に存在する「流れ」の動きを造形に取り入れる「NAGARE(流れ)」デザインシリーズを精力的に展開していました。
その第4弾として開発されたのが「大気(Taiki/タイキ)」です。
車名は文字通り、地球を包み込む「大気」そのものを意味します。「空気の流れが目に見えるデザイン」をコンセプトに据えた独創的なスタイリングは、マツダが描く未来のスポーツカー像を示すものでした。
一体どのようなモデルなのでしょうか。
風の流れを視覚化するタイキは、2007年10月に開催された「第40回東京モーターショー」で公開され、大きな注目を集めることとなります。
開発の背景には、持続可能な「Zoom-Zoom」を実現する次世代スポーツカーの姿を模索する狙いがありました。空力性能を極限まで追求しながら、マツダの魂とも言えるロータリーエンジンの未来像を提示することが大きな目的です。

会場では、ボディから独立したかのように浮遊するリアフェンダーなど、その独創的な造形が注目の的となりました。
外観は、見えない空気の流れを可視化した、羽衣のような薄い衣をまとう流麗なエクステリア。この造形によって空気の流れを整え、当時のスポーツカーとして非常に優れた空気抵抗値であるCd値0.25を実現していました。
ボディサイズは全長4620mm×全幅1950mm×全高1240mm、ホイールベース3000mmの2人乗りFRスポーツクーペです。
全長に対して極めて長いホイールベースが、安定感のあるロー&ワイドなスタンスを実現し、他に類を見ない独創的なシルエットを構築。足元には、風の流れをイメージした複雑なフィン形状の22インチホイールと195/40R22サイズのタイヤを装着し、コンセプトカーらしい大きな特徴となっていました。
インテリアのテーマは、前から後ろへと抜けていく空気の流れです。キャビンを黒と白のゾーンに分け、運転席側の“包まれ感”と助手席側の開放感を対比的に演出。ドライバーが運転に集中できる環境を整えつつ、未来のスポーツカーらしい空間を提示しました。
ダッシュボードやシートに至るまで有機的なラインで構成され、「風の動きを視覚的に体感できる空間」を徹底して目指しています。
パワートレインには、次世代のロータリーエンジン「RENESIS(レネシス)16X」を搭載。これに7速DCTを組み合わせることで、素早いシフトチェンジによるスポーティな走りを追求していました。
当時の「RX-8」に搭載されていた1.3リッター(13B型)を、800cc×2の1.6リッターへと拡大した新世代ユニットであり、効率向上によってトルクと燃費のバランス改善を目的としたものです。
タイキは市販化には至りませんでしたが、この後にもFRロータリースポーツコンセプト「ICONIC SP(アイコニックエスピー)」が披露されるなど、マツダはロータリーへの強いこだわりを示し続けています。
また、空力を極めた流麗なボディラインを特徴とするデザインコンセプト「NAGARE」は、現行の「魂動(こどう)」の布石となりました。
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このようにタイキは、極限の空力性能と次世代ロータリーエンジンを融合させた、挑戦的な一台でした。
羽衣を思わせる独創的な造形や、1.6リッタークラスへと進化したロータリーユニットの提案は、マツダが描いたスポーツカーの未来像として、今なお色褪せない存在感を放っています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。





































