1.6リッターエンジン搭載で「800馬力超え」! 斬新「四駆スポーツカー」がスゴイ! メーカー初の“軽量ボディ”&ガバッと開く「斬新ドア」採用! 革新的な英国のジャガー「C‑X75」とは?

ジャガーが過去に発表したコンセプトカーは、1.6リッターの小排気量エンジンで850PSを超える驚異的なパワーを発生します。一体どのようなクルマなのでしょうか。

革新的なハイパワー技術と流麗デザイン

 近年、電動化技術の進展により、排気量の小さなエンジンでも驚異的なパワーを発揮するクルマが増えてきました。

 そんな潮流を先取りしていたのが、10年以上前に登場したジャガーのあるコンセプトカーです。

 排気量わずか1.6リッターの小型エンジンながら、プラグインハイブリッドシステム全体で850PSを超えるパワーを発揮。一体どのようなクルマなのでしょうか。

革新的なテクノロジーを搭載した斬新「四駆スポーツカー」とは?
革新的なテクノロジーを搭載した斬新「四駆スポーツカー」とは?

 そのモデルとは、2010年のパリ・モーターショーで初公開され、2013年にプロトタイプが発表されたジャガーの先進コンセプトカー「C-X75」です。

 当時は経済状況の影響で量産は見送られましたが、今振り返ると、電動化と小排気量エンジンを組み合わせた先駆的な1台だったことがわかります。

 本モデルは、Williams Advanced Engineering(ウィリアムズアドバンスドエンジニアリング)との提携で開発されたプラグインハイブリッド車です。

 特徴として、ジャガー初の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製モノコックシャシを採用し、軽量かつ高剛性。その上で、スーパーカーらしい洗練されたシルエットを持ち、2013年に登場した同社の「F-Type(エフタイプ)」にも通じるデザイン要素がみられました。

 さらに、上下に開閉するガルウイングドアや、可動式のウイングなどを備えるアイコニックな外観を持ち、高速走行時にはダウンフォースを大幅に高めて安定性を確保する設計でした。

 プロトタイプ版のパワートレインは、リアに搭載された1.6リッター直列4気筒直噴エンジン(ツインチャージャー=ターボ+スーパーチャージャー装備)により最大502hp(509PS)/10000rpmを発生。

 加えて2基の電気モーター(各150 kW級)と、高出力のPHEVバッテリーパックを組み合わせたハイブリッドシステムを採用。EVモードでは最大60kmの走行が可能で、CO2排出量は89g/km未満とされています。

 これらのシステム全体の出力は850hp(861PS)、最大トルクは1000Nmとされており、駆動方式はAWD、トランスミッションは変速スピード0.2秒未満の7速ATを採用しています。

 そんな革新的なテクノロジーを搭載したC-X75ですが、リーマン・ショック後の景気後退が影響し、量産計画は白紙に。結局はプロトタイプ(およそ5台)が製作されたにとどまりました。

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Writer: 山城颯太

理系国立大学を卒業後、自動車メディアを中心にフリーランスのライターとして活動中。TOEIC 925点。クルマから電車、飛行機まで乗り物大好き。主に新型車のグレードに焦点を当てたモデル紹介、海外車の執筆などを担当。

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