ホンダは2025年11月20日に「N-ONE（エヌワン）」の一部改良を発表し、同月21日に発売しました。

　今回の改良では、前方パーキングセンサーと7インチTFT液晶メーターを標準装備化。また、「Original（オリジナル）」をベースとした特別仕様車「CRAFT STYLE（クラフトスタイル）」も新たに追加されました。

　そんな進化したN-ONEの中でも、最も手頃な価格で購入できるエントリーグレードは、どのような仕様なのでしょうか。

　N-ONEは2012年に初登場したベーシックな軽自動車です。デザインは、1967年に登場したホンダ初の軽乗用車「N360」をモチーフとしており、丸みを帯びた親しみやすいフロントフェイスが特徴です。

　ホンダの自動車づくりの原点ともいえる「M・M（マン・マキシマム／メカ・ミニマム）思想」をN360から継承。

　現行となる2代目モデルは2020年11月にフルモデルチェンジを実施し、初代譲りのタイムレスなデザインを受け継いでいます。

　2025年11月の一部改良では、前方パーキングセンサーと7インチTFT液晶メーターを標準装備とし、「RS」「Premium Tourer（プレミアムツアラー）」の2グレードで装備を拡充しました。

　RSは従来のCVT車を廃止して6速MT専用となり、ホイールにホワイトカラーを採用するなどの変更が加えられています。

　さらに、Originalをベースとした特別仕様車であるCRAFT STYLEが新たにラインナップに加わりました。この改良モデルの中で最もリーズナブルなグレードは、Original（FF）です。

　ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1545mm、ホイールベースは2520mm。FF車は一般的な機械式駐車場に対応可能な全高1550mm未満に抑えられています。

　エクステリアは上級モデルの華美な装備を省いてシンプルにまとめられており、派手な外観を好まない人におすすめです。

　上位グレードがアルミホイールを装備するのに対し、Originalは14インチスチールホイールとシルバーのハーフホイールキャップの組み合わせとなります。ボディカラーは、ブラックルーフの2トーンカラーを含む全7種類を設定。

　フロントシートはプライムスムース＋トリコットのコンビシートで、ブラックとホワイトの2トーン仕様です。インパネにはプラチナホワイトガーニッシュを採用。

　ステアリングホイールとシフトレバーはウレタン素材となる一方で、フルオートエアコンや電動格納式リモコンドアミラーはエントリーモデルでも標準装備されています。

　また、標準装備の電子制御パーキングブレーキには、ブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持し、アクセルペダルを踏むと自動解除される「ブレーキホールド機能」が備わっています。

　後席はレバー操作で倒すことができ、長い荷物も収納可能。さらにリアシートは座面を跳ね上げることもでき、観葉植物や家具など背の高い荷物を積む際にも便利です。

　安全面では、先進安全運転支援システム「Honda SENSING（ホンダセンシング）」を全車に搭載。

　衝突軽減ブレーキ、車線維持支援システム、アダプティブクルーズコントロールなど主要な機能が含まれます。

　パワートレインは、最高出力58PS・最大トルク65Nmを発生する直列3気筒自然吸気エンジンを搭載。駆動方式はFF、トランスミッションはCVTです。

　燃費はWLTCモードで23.2km／Lと、N-ONEラインナップの中で最も優れた数値を記録しています。

　なお、Original（FF）の価格（消費税込）は176万7700円。最上級グレードのPremium Tourer（4WD）は231万8800円で、両者の価格差は55万1100円です。