全長4m切り! トヨタ「“巨大スライドドア”ワゴン」がスゴイ! 上質内装に左1枚・右2枚の「左右非対称ボディ」採用! “超便利”な「ポルテ」とは
かつてトヨタには左右非対称の構造を持つハイトワゴン「ポルテ」をラインナップしていました。どのようなモデルだったのでしょうか。
便利だけど超・個性的だった「ポルテ」
多彩なラインナップを誇るトヨタですが、なかには「ユニバーサルデザイン」を重視し、使いやすさを最重要視した意欲的なモデルも過去にはありました。
そのうちの1台であるトヨタ「ポルテ」を振り返ります。

ポルテの初代は、スライドドア付きコンパクトカー「ラウム(2代目)」に続くユニバーサルデザインの第2弾として2004年7月に登場しました。
助手席側のBピラーを廃して(正確にはフロントドアに内蔵)大開口を実現したラウムに対し、ポルテは助手席側のドアを大きな電動スライドドアとすることで、低床フロアと合わせて高い乗降性の高さを実現したモデルでした。
2012年7月に2代目へとフルモデルチェンジを果たしたポルテは、初代が備えていた助手席大型電動スライドドアや低床フロアはそのままに、フロアのフラット化や運転席側ドアを2枚(初代は1枚のみ)に増やして左右非対称にすることで、より使い勝手を高めました。
ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1690mm。パワートレインは1.3リッターと1.5リッターのガソリンエンジン+CVTで、駆動方式はFFまたは4WDを用意します。
インテリアでは、助手席は700mmものロングスライドが可能とし、助手席側のダッシュボード下を大きくえぐる形状としたことで、シートを折り畳んで前にスライドさせるとダッシュボードの下に一部が潜り込む形となり、より広い足元スペースを確保することも可能にしました。
このように他のハイトモデルとは一味違うアイデアが多く採り入れられていたモデルでもあったのです。
そんなポルテはそのキャラクターから、ファミリー層向けの実用的なコンパクトカーというイメージが強いかもしれませんが、実はオシャレな特別仕様車などが多く存在していたモデルでもありました。
例えば、2014年から2017年まで毎年登場していた特別仕様車の「ア・ラ・モード」シリーズでは、ラジエーターグリルとドアミラー、ホイールカバーを専用塗装色とし、シート表皮なども専用のものを与えるなど、まさに特別感を演出したスタイルが特徴。
そして2018年、2019年に設定された特別仕様車「ラフィネ」では、ルーフに特別な革調シボ付ルーフフィルムを装着し、室内には本革巻のステアリング&シフトノブ、合成皮革とファブリックのシート表皮を備え、上質感あふれる仕様となっていました。
さらに2019年10月にはアウトドアカジュアルテイストをプラスした「グランパー」も設定。
こちらは特別塗装色のベージュとグレイッシュブルーの2色を含む4色のボディカラーに、ラジエーターグリル、ドアミラー、ドアハンドル、ホイールカバーをブラックとし、コハクと名付けられたブラウン系の専用シート表皮を備えたもの。
オプションとしてTRDの「アクティブキット」というサイドデカール、ドアハンドルプロテクター、アルミホイールセットの設定も用意されていました。
また特別仕様車ではありませんが、2019年7月の一部改良時には新たにツートンカラーが設定されたのもトピックです。
ツートンカラーというと、一般的にはルーフ部のみや、ルーフとピラー部が異なるカラーとなるものですが、ポルテのツートンカラーはサイドウインドウ下のラインで塗り分けがなされており、ボンネットまでがルーフ部同色となる特徴的なもの。
まるでカスタムカーやコンセプトカーのような塗り分けが魅力ですが、モデル末期の設定だったこともあり、中古車市場でもなかなか見かけることのないレアなカラーとなっているのです。
このように実用的なファミリーカーでありながら、実は個性的な仕様も多く存在していた2代目ポルテ。
他の人とはちょっと違ったファミリーカーをお探しの方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。










































