「世界一のスーパーカー」を目指した日本の挑戦! ホンダ「NSX」が35年の時を超えて伝え続ける“進化の軌跡”とは
ホンダは2025年9月14日、スーパースポーツ「NSX」の35周年を記念して、進化の足跡を辿る動画を公開しました。歴代モデルの特徴とともにどのような進化を遂げてきたのかを振り返ります。
「人間中心」の信念を貫き通したホンダ「NSX」
2025年9月14日にホンダは発売から35周年を迎えたスーパースポーツ「NSX」の進化の足跡を辿る動画を公開しました。
その誕生から35年を迎え、今なお多くのファンを魅了するNSXはどのように進化してきたのでしょうか。その歴史を振り返ります。

1989年のシカゴオートショーで「NS-X」としてプロトタイプが発表されて以来、日本の自動車史、そして世界のスポーツカー史にその名を刻み続けるNSX。
NSXの開発は、当時の常識を覆す挑戦の連続でした。
目指したのは、単に速いだけのスポーツカーではなく、ドライバーが意のままに操ることを楽しめる「人間中心」の思想を突き詰めた、誰もが経験したことのない新しいスーパースポーツでした。
その象徴が、市販車として世界で初めて採用されたオールアルミ・モノコックボディです。
軽量でありながら高い剛性を確保するという、当時としては極めて野心的な目標を達成するために、ホンダは専用の製造工場を建設するほどの情熱を注ぎ込みました。
この革新的なボディ構造は、NSXの卓越した運動性能の礎となっています。
エンジンにも、ホンダの独創性が光ります。
リアミッドシップに搭載された3.0リッターV型6気筒VTECエンジンは、高回転まで滑らかに吹け上がる官能的なフィーリングと、日常的な扱いやすさを両立。
当時のスーパーカーが持つ「扱いにくい」というイメージを払拭し、快適な視界や優れたパッケージングとともに、NSXを「毎日乗れるスーパーカー」という唯一無二の存在へと昇華させました。
開発の最終段階では、伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナ氏がテストに参加したことも有名なエピソードです。
彼の的確なフィードバックは、NSXのシャシー性能をさらに高い次元へと引き上げる上で、不可欠なものでした。
2005年に初代モデルの生産が終了するまで、NSXは改良を重ねて進化を続けます。
特に、ピュアスポーツ性能を徹底的に追求した「タイプR」の存在は、NSXのポテンシャルを世に知らしめました。
快適装備を廃してまで軽量化を突き詰めたストイックな姿勢は、今もなお語り継がれています。

そして2016年、NSXは大きく姿を変えて復活を遂げます。
2代目となる新型NSXは、初代が築き上げた思想を継承しつつ、時代をリードする新たな価値を提案しました。
エンジンは新開発の3.5リッターV型6気筒DOHCツインターボ。さらに、3つのモーターを搭載したハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用し、異次元のコーナリング性能と環境性能を両立させたのです。
エンジンパワーをモーターがアシストするという、新たな時代のスーパースポーツの形を提示した2代目NSXは、電動化時代におけるスポーツカーの可能性を示しました。
その走りは、もはやエンジンだけで語ることはできません。モーターによる緻密なトルク制御が、ドライバーとクルマの一体感をかつてないレベルにまで高めています。
初代から2代目へ。
NSXが35年の歴史を通じて一貫して追い求めてきたのは、技術のための技術ではなく、すべてはドライバーの喜びのため、という哲学です。
「人間中心」という変わらない信念があったからこそ、NSXは時代を超えて特別な輝きを放ち続けるのです。
NSXの進化の物語は、ホンダのチャレンジングスピリットそのものを体現しているといえるでしょう。
















































