スバルの「“爆速”3列シートミニバン」がスゴい! 超パワフルな「220馬力超え」ターボエンジン×全長4.7m級「ちょうどイイサイズ」! 巨大サンルーフ&ボンネット“穴”も装備の快速モデル「エクシーガGT」に注目
スバルがかつて世に送り出した「エクシーガ」は、7人乗りでありながら“走り”にこだわった異色のモデルでした。どのようなクルマだったのでしょうか。
復活を願う声も多い異色の「スバルミニバン」とは
2008年に登場したスバル「エクシーガ」は、“7シーター・パノラマ・ツーリング”という独自のコンセプトを掲げて開発された3列シートミニバンです。
どういった成り立ちのモデルだったのでしょうか。
![大型サンルーフも設定され解放感もバツグンだった![画像は「エクシーガ2.0i-L」]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/09/20250912_SUBARU_EXIGA_001.jpg?v=1757647137)
エクシーガは、当時すでに背の高い箱型ミニバン全盛の時代にありながら、“運転する楽しさ”と“7人乗りの実用性”の両立に挑戦しました。
結果として、「レガシィ」や「インプレッサ」の流れを汲むツーリングワゴン的パッケージに3列目を追加した、まさに“スバル流多人数車”を完成させています。
全長4740mm×全幅1775mm×全高1660mmと、一般的なミニバンに比べれば低めでスポーティなフォルムです。
サスペンションには前ストラット式/後マルチリンク式を採用し、しなやかな乗り心地と安定した操縦性を実現していました。
さらにインテリアでは、後席に行くほど着座位置が高くなる「シアターシートレイアウト」や、頭上に広がる「パノラミックガラスルーフ」など、ツーリングを楽しむための工夫が随所に施されていました。
装備面では、左右独立エアコン、電動シート、HDDナビなど快適性を重視した装備のほか、スバル独自の運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」も2010年以降の一部グレードに搭載。
2012年以降はプリクラッシュブレーキや全車速追従機能付きクルーズコントロールを含む「アイサイトver.2」が設定され、当時としては最先端の安全装備を誇っていました。
パワートレインもバリエーション豊富で、2リッター/2.5リッターの自然吸気(NA)に加え、注目すべきは伝説の「EJ20」ターボエンジンを搭載した「2.0GT」グレードの存在です。
最高出力225PS・最大トルク326Nmを発揮し、5速AT&VTD-AWD(不等可変トルク配分式4WD)と組み合わせることで、7人乗りとは思えない鋭い加速と走行安定性を両立していました。
発売当初の販売構成では、全体の43.2%がこの「GT」系で占められ、“走れる多人数車”としてスバリストの支持を集めていたことがわかります。
モデルライフを通じて大きなフルモデルチェンジはなかったものの、毎年のように改良が加えられ、2012年にはスバルのモータースポーツ部門 「STI(スバルテクニカインターナショナル)」による特別仕様車「tS(tuned by STI)」も登場。
ブレンボ製ブレーキ、専用サスペンション、18インチタイヤなどを装備。300台限定の希少な“走りの7人乗り”として語り継がれています。
しかしながら、スバルの思想を詰め込んだエクシーガは、商業的には苦戦を強いられました。
スライドドアを持たない低全高パッケージは、多くのファミリー層には刺さらず、ミニバン市場で主流を占めるトヨタやホンダのような大容量・高効率な室内空間とは異なる思想が裏目に出た格好です。
加えて、SUVブームの加速や北米戦略重視の社内方針も重なり、2015年にエクシーガは生産を終了。
その後継車としてSUVスタイルに大幅刷新した「クロスオーバー7」が登場しましたが、こちらも2018年に販売終了となり、現在国内向けのスバル車に「3列シートの多人数車」は存在しません。
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異端な存在だったエクシーガですが、現在の中古市場では手頃に“スバルらしい走り”を体感できるモデルとして再評価されています。
後期型の上級グレードや低走行車は今なお100万円を超える水準で流通しており、根強い人気を誇ります。
走りを忘れたくない家族持ちのスバリストにとって、エクシーガはいまなお最良の選択肢のひとつなのかもしれません。
Writer: くるまのニュース編集部
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