トヨタの「めちゃ小さいスポーツカー」が凄かった! 「5ナンバーボディ」に5速MT×ターボ搭載モデルも!? 新車当時100万円台前半の「超お手頃スポーツマシン」ヴィッツRSとは

かつて販売されていたトヨタ「ヴィッツ」には、手頃にスポーツ走行ができるモデルが設定されていました。

今もなお「超お手頃スポーツカー」の第一線 「ヴィッツRS」

 コンパクトカーの代表的存在である「ヴィッツ」は、現在「ヤリス」へと名称を変更し、現在もなお根強い支持を獲得しています。

 かつてエントリーモデルを担っていたヴィッツですが、実は過去には軽量なボディと手頃なサイズを活かしたスポーツモデルがラインナップされていました。

お手頃なモータースポーツベース車「ヴィッツRS」
お手頃なモータースポーツベース車「ヴィッツRS」

 ヴィッツは1999年に登場しました。従来の「スターレット」の後継モデルにあたり、全長4mを切る5ナンバーのミニマムなサイズながらも広い室内や爽快な走り、高い安全性能を実現。

 また曲面を多用し、ラウンド形状を組み合わせたスタイルもヴィッツのアイデンティティで、当時は非常に斬新でした。

 以後、3世代に渡って展開され、エントリーモデルとしてトヨタの国内販売をけん引するだけでなく、欧州などでも「ヤリス」として販売し、世界戦略モデルとなりました。

 現行モデルは2020年に登場した4代目で、プラットフォームの一新や先進機能の強化などを図るとともに、日本仕様車の車名はグローバル名のヤリスに統一。ヴィッツの名称は南アフリカで販売中のモデル(ヴィッツの系譜とは無関係)を除き、消滅しています。

 さて、そんなヴィッツとヤリスですが、現行のヤリスでもスポーティな6速MT車や、ワンメイクレース向けの競技車両「ヤリス カップカー」を用意するなど、スポーティなモデルが設定されています。

 さらに、歴代ヴィッツには「RS」というスポーツグレードが設定されていました。

 2000年に追加設定される形で登場したヴィッツRSは、アグレッシブな専用バンパーや大径アルミホイール&低扁平タイヤ、スポーツシートのほか、専用チューニングのサスペンションやリアディスクブレーキを採用し、エントリースポーツカーの役割を担っています。

 初代は通常モデルが1リッターまたは1.3リッターのベーシックなエンジンを搭載していたのに対し、RSは可変バルブ機構付きで最大出力110馬力を発揮する、1.5リッターの快速エンジンを搭載。

 1トンを切る軽量なボディや新車価格150万円以内という価格も相まって、手軽にスポーツ走行したいユーザーにヒット。ヴィッツらしく日常使いも可能で、モータースポーツの基礎を学べるということもあり、若年層を中心にファンを獲得しました。

 2005年デビューの2代目では、さらに丸みを帯びた親しみやすいデザインとなりましたが、1.5リッターエンジンのRSも継続設定。2007年のマイナーチェンジではCVT車にパドルシフトを装備したほか、1.3リッターの手頃なモデルも追加し、さらに手軽にスポーツ走行を楽しめるようになりました。

 2010年に登場した3代目にもRSが引き継がれ、やはり5速MTも継続。CVT車は7速のスポーツモードを搭載し、2ペダルであってもキビキビ走行することができます。

 さらに、2011年にはRSをベースに、トヨタが当時展開していたスポーツコンバージョンモデル「G’s」を追加。

 TOYOTA GAZOO Racingのドライバーがチューニングを施した専用サスペンションのほか、スポット溶接の追加、空力性能を高めるエアロパーツの装着などを行い、操縦安定性の向上を図っています。

 2013年には「ヴィッツ“GRMN Turbo”」を200台で限定発売。ボディは国内販売されていない3ドアを用い、ターボチャージャーを装着したことで、ベースモデルに対し43馬力も向上。1tトン少々の重量に対し、最大出力152馬力・最大トルク206Nmを誇ります。

 これに合わせ、パワートレイン系の強化やブレーキの容量アップなども図られ、ヴィッツ史上ではもっともホットなモデルに仕上がっています。

 その後も2018年に「ヴィッツGRMN」を発売。専用エクステリアのほかに、スーパーチャージャー付き1.8リッターエンジンの搭載、強化ブレーキやBBS製鍛造アルミホイール、専用シートやステアリングを備えるなど、スポーティかつプレミアムな限定モデルとなっています。

 2020年にヤリスにバトンタッチしたあとは、先出のようにベーシックなヤリスに6速MT車を用意しているほか、ヤリス カップカーの設定、さらに世界ラリー選手権で培ったパフォーマンスを取り入れたハイパフォーマンスカー「GRヤリス」をラインナップ。

 また、ヴィッツは販売終了してもなお、手頃なモータースポーツベース車として支持されており、国内のラリー選手権のほか、学生によるジムカーナ選手権やダートラ競技などでも活躍。

 大手中古車サイトでも約30万円ほどから100万円程度で手に入る(GRMN、GRMNターボを除く)など、現在もなお、「お手頃スポーツカー」のキャラクターは変わっていません。

 ちなみに、トヨタ車のサブスクサービスを展開するKINTOでは、手軽にモータースポーツを経験できる「MOTORSPORT by KINTO(MOSKIN:モスキン)」のサービスにおいて、ヴィッツRSの3代目モデルをサーキットでレンタルできるサービスが用意されています。

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Writer: 伊勢崎剛志

自動車販売から自動車雑誌編集部を経て、ライターとして独立。趣味も多彩だが、タイヤが付いているものはキホン何でも好きで、乗りもので出かけることも大好物。道路や旅にも精通し、執筆活動はそういった分野をメインに活動。

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