関西の大動脈「新名神高速」はいつ全通する? 「名神」の激烈渋滞スポット「京都東IC付近」開通すれば“完全スルー”へ! 「大津JCT~高槻JCT」工事の現状はどうなのか
三重県の四日市JCTから兵庫県の神戸JCTを結ぶ「新名神高速道路」は、途中の「大津JCT~城陽JCT」、「八幡京田辺JCT~高槻JCT」が未開通になっています。工事の現状はどのようになっているのでしょうか。
開通すればダブルネットワークが完成!
新名神高速道路は、一部が開通しているものの、2025年8月現在、大津JCT~城陽JCT、八幡京田辺JCT~高槻JCTが未開通のままで、全線開通に向けた工事が進行中です。
今の工事の進捗はどうなっており、いつごろに完成するのでしょうか。

既存の名神高速と中国道は、関東・中部・関西という本州の東西方向を結ぶ長距離ネットワークと、都市間の中距離の移動という両方を担っている、まごうことなき「関西の大動脈」です。
しかし開通は古く、旧態依然とした道路であり、莫大な交通流に対し慢性的に容量が不足。
名神上り線「京都東IC付近」や中国道下り線「宝塚IC付近」では1日当たり10万台近くの交通が集中し、ほぼ毎日のように大渋滞が発生。関西の道路交通情報では、このあたりの渋滞情報を聞かない日はありません。
そこで、名神高速のバイパスとして建設されているのが、新名神高速です。三重県四日市市の四日市JCTを起点に、神戸市北区に至る延長約160kmの高速道路です。
岐阜や滋賀を通る名神高速とは違い、東名・伊勢湾岸道方面からそのまま西進して神戸まで抜けるルートになっています。
2008年2月に亀山JCT~草津田上ICが開通し、2017年には城陽JCT~八幡京田辺JCTと高槻JCT~川西ICが開通。そして、2018年に川西IC~神戸JCTが開通し、現在に至ります。
特に高槻JCT〜神戸JCTにかけては、関西屈指のボトルネックとなっていた中国道の吹田JCTをまるごとショートカットできるようになったうえ、線形もよく走りやすくなっています。
新名神高速が全通すれば、既存の名神高速と合わせて「ダブルネットワーク化」が完成。渋滞の大幅解消に加え、災害などが起こった際のバックアップ路にもなります。
全線開通すれば豊田JCT~神戸JCTの所要時間は、名神・中国道経由で約160分(240km)かかるところ、約120分(200km)に短縮されます。
さらに物流においても大きな影響があると見られ、関西~中部を横断する約19万トン/日、関西~中国四国を横断する約13万トン/日が、新名神高速の整備によって円滑に移動できることが期待されています。
人の移動や物流の高速走行による所要時間の短縮、時間信頼性の向上、事故・災害における代替路の確保、と言った効果が望まれるのです。
残る未開通区間は大津JCT~城陽JCT、八幡京田辺JCT~高槻JCTの2区間で、前者は2028年度以降、後者は2027年度の開通をそれぞれ予定しています。
工事の現状は、2024年12月に発表された説明資料によると、大津JCT~城陽JCT間にある宇治田原IC(仮称)付近で用地買収に時間を要したとされています。
また、砂利採取後の埋め戻しの作業で、軟弱な地盤が広範囲に広がっており、地盤改良や土砂の分別作業に予想以上の時間がかかっているそうです。
2025年4月の進捗では、滋賀県区間の用地取得が完了。すべての区間で工事を着手していると発表しています。
大津JCT~城陽JCT間12.2kmのうち、4つの橋梁(大戸川橋、上中野橋、吉祥寺川橋、宮川橋)の床面を構築するコンクリートを流し込む作業である「床版打設」が完了し、橋面が繋がったとしています。
現在の開通予定は2028年度以降となっていますが、工事の進捗によっては開通までさらに1~2年程度の期間を要するとしています。
八幡京田辺JCT~高槻JCTの進捗は、2025年6月に当区間にある成合第二高架橋の工事を行っていると発表。9月には主桁の上に鋼板とコンクリートを組み合わせた「合成床版」を搭載した状態で、主桁を所定の位置に送り出す作業をするとしています。
交差するJR東海道線の車内から工事の様子を確認することができ、存在感のある橋脚がニョキニョキとそびえ立っていることなどで、SNSでは「銀河鉄道みたい」と大きな話題になっています。
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新名神高速道路は、関西圏の交通混雑緩和と広域ネットワークの強化が期待されています。
全線開通すれば名神の代替ルートとして、より快適で安全な走行環境が実現されるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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