氷上ブレーキ性能14%アップ!ヨコハマの最新スタッドレスタイヤ「アイスガード8」を極寒の北海道で試乗…スノー/アイス性能はどうだった?
試乗で感じた従来品との「差」とは
まずは最もスタッドレスタイヤの性能を実感できるシチュエーションの氷上ブレーキ。筆者はツルツルの氷の上を30km/hで走行し、そこからABSが作動するフルブレーキングを4回実施しました。
まず気になったのは、制動距離うんぬんではなくブレーキをいっぱいに踏んだ時の感覚です。タイヤのグリップ感が、どこかフワッとしている従来品に対し、アイスガード8はグッと踏ん張って氷に張り付く感触が強いのです。最初は気のせいかと思いましたが、回を重ねて違うと確信しました。
肝心の制動距離は、筆者の運転による平均値で従来品が16.5m。対してアイスガード8は15mと、しっかりと短縮されていることが確認できました。氷上でのブレーキングは、冬の路面では事故を起こすか起こさないかを左右する重要な操作であり、その点でタイヤの性能アップは大きな意味を持ちますね。

続いて氷上旋回です。温度までしっかり管理されたスケートリンクのような氷の上をグルグル回り、その違いを体感してみました。
何を隠そう筆者は「そんなに変わらないでしょ?」という気持ちで挑んだのですが……従来品でしばらく走った後にアイスガード8に乗り換え、2周目に入る頃には、その考えが間違っていたことに気付きました。
まず旋回速度が違うのです。試乗の速度目安は「20km/h+α」でしたが、従来品で安定して走れるのはせいぜい23km/hまで。一方アイスガード8は24km/hまで安定していました。
たった1km/h、されど1km/hです。それはラップタイムにもしっかり表れていて、旋回速度が上がったことが数字でも証明されたのです。
随所で感じた安心の走り その理由とは?
アイスガード8は、滑るまでの安心感も違いました。具体的にいえば、ステアリングの接地感がより感じられたのです。
そのうえ滑ったときのリカバリーのしやすさもアイスガード8のほうが上。速度が上がりすぎてコーナリングラインが外側になり始めたとき、ハンドルの切り足しにスムーズに反応してくれたので、懐が広い特性といってよいでしょう。

最後に圧雪での比較です。フル加速とスラローム、そしてフルブレーキを試してみました。速度は最高で50km/hほどです。
正直にお伝えすると、氷上に比べ従来品との違いは大きくないと感じました。とはいえスラロームに関しては、スピードを上げ気味にしてもテールスライドしにくいのです。滑る直前ギリギリの踏ん張り感があり、滑り始めるまでにより粘る印象です。また、ブレーキは止まる寸前にギュッと雪をつかんで効く安心感がありました。
いずれにせよ、こうして比べてみると従来品に対して「滑りにくさ」があるのは間違いなく、それが安心感につながっていることがよくわかります。そもそも、こうして違いを体感できたことが意外でした。試乗を終えた今、試す前に「そんなに違わないだろう」と思っていた自分を恥じたい気分でいっぱいです。
ところで、このアイスガード8は主力商品となるだけに、対応車種が広いのも特徴です。発売時点(2025年9月)では70サイズほどしか設定がありませんが、今後は従来品と同じく120サイズ程度まで拡大される見込みです。その適応力を試すため、カローラ4WDモデル以外の車種でも雪道を走ってみたので、ショートインプレッションをお伝えしましょう。


































































