全長4.9m! トヨタ最新型「フォーマルセダン」がスゴい! 精悍“サメ顔”×流麗「クーペデザイン」で超カッコいい高級モデル! 堂々サイズの「11代目カムリ」日本で売られていない理由とは
世界的なベストセラーセダンであるトヨタ「カムリ」は、2023年11月に通算11代目へとフルモデルチェンジしました。しかしその最新モデルは日本では販売されていません。なぜ母国から姿を消したのでしょうか。
グローバルセダンの雄、日本市場からの撤退の真相とは
43年の歴史に幕を下ろし、2023年末で国内販売を終了したトヨタのラージセダン「カムリ」。
その一方で主要市場である北米では、2023年11月に通算11代目となる新型を発表し、大きな注目を集めています。
この一見矛盾する状況は、現代の自動車産業が抱える複雑な戦略を象徴しているといえるでしょう。
![なぜ日本に来ない!? トヨタ 最新型「カムリ」[米国仕様]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/07/20250704_TOYOTA_Camry_XSE_AWD_America_001.jpg?v=1751602401)
海外で販売される最新型カムリは、パワートレインをハイブリッド専用に一本化しました。
長年親しまれたV型6気筒ガソリンエンジンモデルは廃止され、最新の第5世代2.5リッターハイブリッドシステムの搭載に一本化し、電動化時代に向けて大きく舵を切ったかたちです。
エクステリアデザインも一新されました。
近年のトヨタ車に共通する「ハンマーヘッド」デザインが採用され、従来の落ち着いたセダン像を覆す、モダンでアグレッシブな印象を放っています。
インテリアは、「クラウン」シリーズなどと同様に開放的なレイアウトに刷新。上級グレードでは12.3インチの大型ディスプレイを2つ並べ、Apple CarPlayおよびAndroid Autoは全車にワイヤレスで標準装備されるなど、デジタル装備も大幅にアップデートされました。
技術面のハイライトは、後輪を独立モーターで駆動する「電子式オンデマンドAWD」の採用です。必要な時だけ後輪を駆動し、燃費効率を保ちながら悪天候や旋回時のトラクション性能を高めています。このAWD仕様では、システム最高出力が232PSに達するとのことです。
ではこれほど進化を遂げた新型カムリが、なぜ母国である日本市場から姿を消すことになったのでしょうか。
その背景には、3つの大きな理由がありました。
ひとつ目は、日本国内におけるセダン市場の著しい縮小です。ユーザーの嗜好はSUVやミニバンへと移行し、セダンはニッチなカテゴリとなりつつあります。
ふたつ目は、カムリの成り立ち自体にあります。
カムリは北米市場に最適化されたグローバルモデルであり、先代でも全長4900mm、全幅1840mmに達していた大きなボディサイズは、日本の道路事情では扱いづらい存在と見なされていました。
3つ目は、トヨタの生産戦略です。
カムリの国内販売台数は年間数千台に留まり、数十万台規模を誇る北米市場に比べてごくわずかな数字です。
また前出のクラウンが、2022年発表の全面刷新でSUVなどを含む4つのボディタイプに生まれ変わり、これまでカムリが担ってきた市場もおおむねカバーできるようになったことも大きな要因と考えられます。
企業としてはごく自然で合理的な選択だったといえるでしょう。
カムリの国内販売終了は、一台のモデルの終焉にとどまらず、日本の自動車メーカーが、グローバルな効率性と国内市場のニーズとの間で難しい決断を迫られている現実を象徴する出来事だったといえます。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

























































