ダイハツが新型「軽“スライドドア”ワゴン」発表! 軽の“テッパン”「カスタム」異例の「未設定」!? 新型「ムーヴ」に精悍デザインが採用された理由とは
ダイハツは、主力の軽ハイトワゴン「ムーヴ」を11年ぶりにフルモデルチェンジし、新たにスライドドアを採用するなど大きく変革を遂げました。その誕生秘話について、デザインの面から掘り下げていきます。
「動く姿が美しい、端正で凛々しいデザイン」が生まれた背景とは
2025年6月5日、ダイハツは主力の軽ハイトワゴン「ムーヴ」を11年ぶりにフルモデルチェンジしました。
7代目となる新型は、これまでのムーヴとは大きく変革を遂げたことで話題を呼んでいます。
その理由について、ダイハツのデザイナー担当者に話をうかがいました。

新型ムーヴの特徴として、先代と大きく違うことが2つあります。
ひとつは後席に「スライドドア」を採用したこと。
そしてもうひとつは“裏ムーヴ”などで話題をさらった「カスタム」が消えたことです。
そんな新型ムーヴの誕生秘話について、まずエクステリアデザイン担当のダイハツデザイン部 プロダクトクリエイト室主任 河合 徳明さんから話をうかがいました。
●「動く姿が美しい」端正で凛々しいデザインが生まれるまで
筆者(内田俊一、以下Q):まずはエクステリアデザインについてうかがいます。今回ムーヴのエクステリアを担当することになり、どういう気持ちでしたか。
河合氏:商品企画の部署から最初に来た企画の狙いは、「バランスが大事にした堅実なクルマ。乗用のど真ん中」というものでした。
そこから形にしていくには、もう一段特徴になる何かが必要だと感じ悩みました。
このままだと、特徴のないクルマをデザインしてしまうと思ったからです。
そこでまず、ムーヴを購入しているお客様はどういう気持ちで選んでいるのかを調べました。
なぜなら、当初我々のなかに「バランスが良いからこれを選んでおけば無難だ」といった「消極的な選択だった」という危機感があったからです。
ただ、台数こそ軽スーパーハイトワゴンの「タント」に譲りましたが、それでも月数千台ものお客様に購入いただいています。何かしらの理由があって「指名買い」されているのではないかと気付かされました。
そこで「この世代のお客様はこんな特徴だった」「この世代のお客様はこんなものを欲している」ということに気づき始めたところから、デザインプランが一気に転がり始めました。
そして「動く姿が美しい」とか、「精悍なクルマにしていくぞ」という気持ちから、「動く姿が美しい、端正で凛々しいデザイン」というコンセプトが生まれたのです。
Q:「この世代のお客様」とは、具体的にどういう人を指すのでしょうか。
河合氏:バブル時代に青春を過ごされた方々で、いまはお子様が手離れして、もう一回夫婦でどこかに出かけたいなという世代です。
「その時の気持ちをもう一度」というと少しおおげさですが、スタイリッシュで走りそうなクルマでありながら、商品の企画にある“きちんと実用的で堅実であること”を持ち合わせていること。
それこそがムーヴが歴代モデルで代々引き継いできた“コア”の部分であり、いまでもお客様に指名買いしていただいている重要な部分だと気づいたんです。
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