約830万円! トヨタ最新「クラウンマジェスタ」がスゴイ! まさかの「セダン」じゃない“タフボディ”&「340馬力超え」パワトレ採用! 復活の「最上級モデル」サウジアラビア仕様とは?
トヨタの「クラウンシリーズ」には、かつて最上級グレードとして「クラウンマジェスタ」がありました。国内では2018年に生産が終了しましたが、2023年になって再びその名称を冠したモデルが登場しています。一体どのような特徴を持つクルマなのでしょうか。
セダンじゃない「マジェスタ」の仕様とは?
トヨタのクラウンシリーズは現在、16代目となり、「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」の4つのモデルラインで展開されています。
クラウンの名を聞けば、多くの人が思い浮かべるのは、長年にわたり培われた安定感ある高級感や信頼性でしょう。その中でも、かつて特に注目を集めていたのが最上級モデルである「マジェスタ」です。
マジェスタは、かつてトヨタのフラッグシップとして日本国内でも高い評価を受けていましたが、2018年をもって国内での生産を終了しており、新型の登場はありませんでした。
しかし、海外市場、とくにサウジアラビアにおいては2023年、マジェスタの名称が復活しているのです。一体どのようなモデルなのでしょうか。

初代マジェスタは1991年に登場しました。車名は英語の「majestic(威厳ある)」に由来し、堂々としたボディと高級感あふれる内外装で、当時のクラウンのフラッグシップとしての地位を確立しました。
同社がかつて展開していたフラッグシップセダン「セルシオ」との差別化が課題であった当時、4リッターV型8気筒エンジンを搭載した「4000ロイヤルサルーンG」をベースに独自の装備を強化し、電子制御エアサスペンションやヘッドアップディスプレイ、エレクトロマルチビジョンなどの先進技術を導入しました。これにより、マジェスタは日本の高級車市場において確固たる存在感を示しました。
2代目以降もマジェスタは進化を遂げ、デザイン面では縦型テールランプを取り入れ、技術面では1995年に車両安定性制御システム(VSC)をトヨタ車として初めて搭載するなど、常に先進性を打ち出してきました。
しかし、2013年に登場した6代目では専用ボディが廃止され、クラウンの派生モデルとしての位置づけに変更されました。
エンジンもV型8気筒から2.5リッター直列4気筒または3.5リッターV型6気筒のハイブリッドへ移行し、従来の威厳あるデザイン要素も次第に薄れていきました。
この変化により、マジェスタ独自の存在感は弱まり、27年の歴史に一旦幕を下ろしました。
ところが、海外ではマジェスタのブランド価値が新たな形で登場しています。サウジアラビア市場向けには、日本の「クラウン クロスオーバー」をベースに、全長4980mm×全幅1840mm×全高1540mmと、日本仕様より全長を50mm延長した堂々としたボディで登場しました。
外観には21インチアルミホイールや先進的なLEDヘッドライトを採用し、内装はデジタルゲージクラスターや最新インフォテインメントシステムを備えるなど、快適性と利便性を両立させています。
パワートレインには2.4リッター直列4気筒ターボエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載し、最高出力344馬力、最大トルク550Nmを発揮。
燃費性能も公表値で18km/Lを実現しており、走行性能と環境性能の両立を図っています。
価格は20万2170サウジアラビアリヤル(約832万円)と設定され、プレミアムセダンとしての高級感を維持しつつ、現代的なデザインや最新技術で新たな顧客層を惹きつけています。
特筆すべきは、マジェスタの復活が、日本での生産終了後もそのブランドが海外で評価され、新たな形で再び注目されている点です。
国内ではクラウンブランドの最上級モデルとしての役割は終えたものの、その威厳ある名称は世界市場で新たな価値を生み出しています。
2025年に入ってもサウジアラビアでの販売は好調と報じられており、今後の海外展開や将来的な復活への期待も高まっています。
日本で長年愛されてきた名車が、時代を超えて海外で新しいファンを獲得する。この現象は、単なる輸出モデルの成功にとどまらず、ブランド価値の国際的な広がりを象徴しています。
クラウンマジェスタは、過去の栄光を懐かしむだけでなく、現代の技術とデザインを取り入れながら新たな市場で存在感を示す例として、自動車業界のトレンドを読み解くうえでも注目すべき存在と言えるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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