ダイハツが新型「軽“スライドドア”ワゴン」発表! 軽の“テッパン”「カスタム」異例の「未設定」!? 新型「ムーヴ」に精悍デザインが採用された理由とは
グレード内での差別化と「カスタム」の廃止という“決断”
Q:さて新型ムーヴではカスタムがなく、標準車1本となりましたね。
河合氏:カスタムを標準と一本化しようという話は、企画の当初からありました。
先代の6代目ムーヴあたりからお客様の層が変わってきて、標準車とカスタムのお客様像にそれほど違いがなくなりました。
装備差や仕様差で、ローグレードとハイグレードのような捉え方になって来たのです。
そういう流れであれば、「1本できっちり両方支持いただけるいいものをつくったら良いんじゃないか」となりました。
そこで上級仕様の「RS」「G」グレードと、ベーシックな「L」「X」グレードで、すこし外観や内装を変えた仕様としています。

Q:これまでの「カスタム」系を好んでいいた人たちも、RSやGグレードのフロントフェイスは好ましく映りそうですね。
河合氏:顔のすみ分けですが、基本的な記号性は一緒なんです。ただ、よりシンプルにまとめながら作っていったのがLとXグレードです。特にヘッドランプ周りをブラックアウトしています。
実は最初、ハロゲンヘッドランプだったんですね。しかしハロゲンだとこの表情は絶対作れないからと、開発責任者に頼み込んでなんとかフルLEDで作ることができました。
そしてシグネチャー付きのLEDヘッドランプがRSとGで、これもガーニッシュからヘッドランプの中に連続性を持たせて、なるべく一体に見えるようにしています。
またフロントのガーニッシュも、スモーククリアの裏からちょっと明るめのガンメタリック(グレー)を塗っている「裏面塗装」になっていて、その濃さのバランスも、どんな環境光の下でもある程度光るし、明るすぎず暗すぎずというところにこだわり、深みのある質感を出しています。
さらに(LとXグレードにもある)幾何学模様は、この樹脂の板厚の差を使って出しているんです。
またリアコンビランプも実はドットパターンを打ったもので、クリアパーツの奥にストップランプが入っている二重構造になっています。これも見た時の深み、奥行き感から驚きのある意匠にするために、星空キラキラみたいな二重構造にしてこだわって作りました。
●スライドドアでも「走りそうなデザイン」にするために
Q:新型ムーヴではスライドドアを新たに採用しましたが、「走りそうなデザイン」という視点では非常に難しくなったと思いますが、いかがですか。
河合氏:小さいクルマにスライドドアを採用すると、直線のスライドレールが必要になります。そうなるとどうしてもクルマも四角くなってしまうんですね。
そこでまず、フロントウインドウをスライド車としてはかなり寝かせました。
それ以外の意匠も、「いかに四角く見えないようにするか」「走りそうなスタイリングをするか」にこだわり、最後までこの戦いでした。
デザイン案をつくってみては「いや、まだ四角く見える」ともっと変えて、「まだ四角に見える」ということのをずっと繰り返して、最終的にこのデザインに辿り着きました。
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