トヨタが「“新”カローラ」発表! 228万円スタートで“手頃”だけど「廉価なガソリンエンジン」は廃止に… 熟成重ねる「トヨタの代表車種」 ハイブリッドのみになった理由とは
トヨタ「カローラ」シリーズの一部改良が実施され、従来のガソリンエンジン搭載モデルが廃止。ハイブリッド専用となりました。その目的は何なのでしょうか。
「カローラ」シリーズ一部改良 ハイブリッドのみに
トヨタは2025年5月9日、「カローラ/カローラツーリング/カローラスポーツ」の一部改良を発表しました。
各種装備の標準化などが行われましたが、同時にパワーユニットのラインナップが「ハイブリッド」のみになったのが大きなニュースと言えます。なぜハイブリッドのみとなったのでしょうか。

カローラシリーズの現行型は2018年に登場した12代目です。5ドアの「カローラスポーツ」の登場を皮切りに、4ドアセダン「カローラ」、5ドアステーションワゴン「カローラツーリング」の3タイプを展開。
また5ドアSUV「カローラクロス」もラインナップに加え、多彩なバリエーションを誇ります。
当初は1.8リッターハイブリッドに加え、ベーシックな1.8リッターガソリンエンジン、スポーティな1.2リッターガソリンターボを用意。
2022年の一部改良ではガソリンエンジンを変更し、カローラスポーツは2リッターエンジンに、カローラとカローラツーリングは1.5リッターの新開発ダイナミックフォースエンジンを新採用しています。
そして今回、カローラシリーズすべてでガソリンエンジンモデルを廃止。ハイブリッドに「一本化」された形です。
この理由としては、「カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの1つ」と表現されることが多いです。
日本市場ではガソリンエンジンモデルよりもハイブリッドの需要が多く、パワーユニットが1本化されることで、ユーザーに対してのメリットも作りやすいといった面も理由になっていると思われます。
エントリーグレードの金額は、227万9200円(カローラのXグレード)。
改良前(202万8600円)に比べて25万円ほど高くなっていますが、それはパワーユニットがハイブリッドのみになったからで、ハイブリッドのエントリーグレード「X」で比べると、実質的な値下げとなっています。
また中間グレード「G」や最上級グレード「W×B(ダブル バイ ビー)」では「ブラインドスポットモニター+安心降車アシスト」「パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)」といった安全装備が標準装備化されたほか、W×Bでは「ドライブレコーダー(前方)+バックガイドモニター(簡易録画機能付き)」「デジタルキー」「ディスプレイオーディオplus」といった装備も標準装備となりました。
やはり価格面では、W×Bで21万1000円安くなっていますが、各種装備が標準化されたことを考えると、今回の改良は実質的な値下げと捉えることもできます。
こうした装備の標準化というのは、それだけユーザーからのオプション選択が多かったなど、ニーズが高い装備だったはずなので、今回の改良で商品力が向上したのは間違いないといえます。
登場から約6年が経過し、そろそろ古さを感じる人もいるかもしれない「カローラファミリー」ですが、よりユーザーに優しい価格と装備内容になった今回の改良を見ると、「まだまだ買い時」と思わせてくれます。
熟成極まったカローラは新車で買う選択肢として、大いにアリな1台です。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿や、URLを記載した投稿は削除する場合がございます。