長安マツダが2025年4月「上海国際モーターショー」で初披露した新型電動クロスオーバーSUV「MAZDA EZ-60」がスゴいと話題です。

　いったいどのようなクルマなのでしょうか。

　EZ-60は、マツダと中国・長安汽車との合弁会社である長安マツダが開発・製造する電動SUVです。

　クルマ本来の魅力を磨き上げ、進取の気性に富んだ中国のユーザーに向けた先進的な電動SUVに仕上げられており、同じプラットフォームである電動セダンの「EZ-6」と共に、激戦の中国市場で戦っていくモデルです。

　マツダの毛籠勝弘（もろ・まさひろ）社長によると、EZ-60の最大の見どころは「エレガントかつモダンなスタイリングと、マツダらしさ溢れる人馬一体の走行性能」とのこと。

　現時点で分かっている情報によると、EZ-60のボディサイズは、全長4850mm×全幅1935mm×全高1620mm、5名乗車の後輪駆動車とされています。

　日本でも販売されているCX-60（全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm）よりも全長は110mm長く、全幅は45mm広く、全高は65mmも低くなっており、ワイドスタンスで低重心のクロスオーバーSUVとなっているようです。

　BEV（バッテリーEV：電気自動車）とPHEV（プラグインハイブリッド車）の2タイプが用意されています。

　サスペンションはフロントにストラット式、リアにマルチリンク式を採用、タイヤサイズは255／40R21で、電子制御ダンパーも搭載しています。

　PHEVモデルの前後重量配分は50：50、BEVモデルも47：53と、理想的な重量配分に仕上げられているようです。

　エクステリアは、LEDの細いアイラインにペンタゴングリルが特徴的で、従来のマツダを感じつつもモダンな雰囲気のデザインに仕上がっています。

　ボディサイドは、フラップ型のアウタードアハンドルや、デジタルアウターミラーが確認でき、リアは強く寝かせたリアウィンドウと細いLEDテールランプがスタイリッシュです。

　フロントからリアへ流れていくボディラインは、まさに高級クーペSUVといったスタイリングに仕上がっています。

　インテリアで目を引くのが、26.45インチサイズの5K一体薄型センターディスプレイです。

　音声操作、タッチ操作、ジェスチャー操作と、様々な操作方法に対応したスマートキャビンを採用し、物理スイッチは、ステアリングホイールの天板面以外は、ほぼ排除されています。

　運転席前方には液晶メーターがなく、フロントウィンドウに投影される3Dヘッドアップディスプレイによって、必要な情報を大きく投影するといいます。

　フロントドアトリムには、サイドカメラによる後方映像を映すサイドモニターが埋め込まれています。

　23個ものスピーカーが奏でる立体音響システムや、運転席と助手席で異なる音楽を聴くことができるヘッドレスト内蔵型スピーカーも装備されており、運転支援および事故の回避・被害低減を図るインテリジェントドライブ、車外からでも音声操作が可能なインテリジェントパーキングなど、先進的なアイテムも数多く搭載されています。

　航続距離は、BEVモデルが約600km、PHEVモデルが1度の給油で1000km以上を想定しているとのこと（暫定値）。

　空気抵抗低減のため、フロントグリルからボンネットに空気の通り道をつくったことも功を奏しているようで、これによって、高速走行時の電力消費効率を向上することができたといいます。

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　EZ-60は2025年内の販売が予定されており、販売価格はまだ明らかになっていません。

　しかし電動セダンEZ-6のPHEVが13.98万元（約283万円）、BEVは15.98万元（約323万円）とバリュー価格で販売されていることから、ＥZ-60も同程度のスタートプライスになるかもしれません。

　国内導入の可能性を含め、続報に期待しましょう。