テールライトで文字描画!? 車体に木やリサイクル品も活用 「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」 市光工業/トヨタ車体/三菱ケミカル
木でできたクルマは「一石三鳥」!?
トヨタ自動車のグループ会社であり、ミニバンやSUVなどを製造するトヨタ車体は、材料の一部に木を用いたクルマを展示。超小型BEV(バッテリー電気自動車)であるそれは、「PLANT COM もくまる」という名称です。
「もくまる」に使われているのは、スギの間伐材を配合した樹脂素材「TABWD(タブウッド:Toyota Auto Body WooD)」です。車体全体に使われているのではなく、フォグランプブラケットやバッテリーキャリアなどのパーツに採用されています。

植物由来の材料を使うことで、カーボンニュートラルを実現できるほか、間伐材を用いることで、数多く植樹されてきたスギの間伐を促進でき、森林の豊かな循環を生み出せるとしています。なお「TABWD」は繰り返し使用することができ(サーキュラーエコノミー)、また木でありつつも燃えにくい加工も可能だといいます。
間伐材には静岡、高知、鹿児島県産の木材が利用されています。これらはトヨタ車体の研究所や、共同研究を行っている各機関と縁のある自治体だそうです。
ちなみに「TABWD」は、前出のとおりカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーに寄与しますが、加えてスギを用いる点から花粉症対策にもなり、「一石三鳥」といえるかもしれません。
分子レベルで分解「ケミカルリサイクル」
廃車となったクルマをリサイクルして、パーツとしてよみがえらせる企業もありました。
三菱ケミカルグループの日本ポリプロは、三菱ケミカルのブース内に、環境負荷低減ポリプロピレン「NOVAORBIS(TM)」(ノバオルビス)を用いた製品を展示。ポリプロピレンとは軽量かつ耐熱性に優れた樹脂素材です。
廃車体から取り出されたプラスチックを原料に、それを加工し再利用するマテリアルリサイクルと、化学的処理を施し、それを原料に製品を作り出すケミカルマテリアルを通じ、ドアトリムなどの内装材を手掛けています。

従来、リサイクル品はVOC(揮発性有機化合物)や臭気といった観点から、主にバンパーなど外装材として用いられてきました。日本ポリプロは独自の技術で内装材にも使えるようにし、このたび広島県内に本社を置くKGモーターズの小型モビリティロボット「mibot(R)」の内装材に初めて採用されました。「持続可能な移動」を実現したいという両社の思いが合致してのことです。
特殊な加工は必要なく、パーツ特有の湾曲なども生成できます。マテリアルリサイクル品は2024年度に販売が開始されており、ケミカルリサイクル品も2025年度中の発売を計画しているといいます。
日本ポリプロは、茨城県内において新プラントの建設を終えており、2025年5月時点で稼働へ向けた試運転を実施しているとのことです。
Writer: くるまのニュース編集部
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