全長4.1m級! 日産の「超“コンパクト”GT-R」!? 540馬力超え「V6」×高性能4WD搭載の「スポーツモデル」!まさかの“正規販売”されていた欧州の「ジュークR」とは?

欧州日産は、2012年にコンパクトSUVにGT-Rのパワートレインを移植したモンスターモデルを“正式”に販売していました。それはどのようなクルマだったのでしょうか。

545馬力の「コンパクトGT-R」!?

 2007年に登場した日産「GT-R」は、ついに2025年モデルで幕を下ろすことになりました。

 GT-Rは、自動車の歴史の1ページを堂々と飾る、日本が世界に誇るハイパフォーマンス・スポーツカーですが、その強烈なスペックを誇るパワートレインを、コンパクトSUVに搭載した”公式エンジンスワップ”モデルが販売されていました。

 そのコンパクトSUVは「ジューク」でした。

コンパクトすぎるGT-R SUVが過去にあった!?
コンパクトすぎるGT-R SUVが過去にあった!?

 ジュークは、日本市場では2010〜19年の間に販売されました。ボディサイズは全長4135mm×全幅1765mm×全高1565mmというコンパクトなボディで、直列4気筒1.5リッターガソリンないし同1.6リッターガソリンターボのエンジンにCVTを組み合わせたパワートレインを採用。駆動方式はFF(前輪駆動)と4WDが設定されていました。

 ジュークのデザインは個性的で、ヘッドライトが2セットあるような独特なフロントマスクに賛否両論あり、日本ではヒットを記録するまでに至らなかったものの、それまでの日本市場にはなかった扱いやすいサイズのSUVで、現在のコンパクトSUV人気の火付け役となったという功績をもちます。

 いっぽう欧州では受け入れられ、日本市場で販売終了した2019年に2代目へフルモデルチェンジされ、現在も販売されています。

 欧州では、Bセグメントに属する全長4.1mというコンパクトボディに、GT-Rのエンジンを搭載するとは、当時は誰も思わなかったことでしょう。

 GT-Rのエンジンは、V型6気筒3.8リッターツインターボ「VR38DETT」型で、ジュークのエンジン排気量の2倍以上もあり、直列4気筒とV6という大きな違いもあります。

 しかし、欧州日産のテクノロジーセンター(NTC-E)が手掛け、イギリスのモータースポーツおよびハイパフォーマンスエンジニアリングを事業とする大手「RML」が製造を担当するという布陣を組み、2011年10月4日に欧州日産がジュークRを誕生させました。

 発表当時は、ワンオフのショーカーの扱いでしたが発表の翌年2012年5月に、英国日産が限定で市販することを発表、”公式エンジンスワップ”ハイパフォーマンス・コンパクトSUVとなりました。

 そのスペックは、プロトタイプの最高出力487PSに対して市販モデルは545PSへ引き上げられ、最高速267kmをマーク、当時のGT-R(2012年モデル)の最高出力は550PSだったことを考えると、たいしたデチューンがされていないことがわかります。

 また、GT-Rの電子制御四輪駆動システム「アテーサE-TS」、6速DCTもジュークRに採用、ハイパワーに対応するためボディはロールゲージで補強され、高剛性のハイパフォーマンスサスペンションが組み込まれました。

 ジュークはFFベースで、GT-Rよりもホイールベースも短いため、専用のプロペラシャフトが採用され、前後重量配分も調整されました。

 ホイールは、当時のGT-Rと同じエンケイの20インチを履き、フロントバンパー下部には5つのエアダクト、リアには2分割のスポイラーで強烈な存在感を放つモデルとなっていました。

 ジュークRの価格は、50万ユーロと発表され、当時の為替レートで約5000万円という、価格もスペックも飛び抜けた”スーパーコンパクトSUV”でした。

 ジュークR発売の3年後の2015年、英国のモータースポーツイベント「ウッドストック・フェスティバル・オブ・スピード」で、「GT-R NISMO」に搭載される600馬力エンジンにアップデートし、デザインもよりGT-Rに近づけた変更を加えた「ジュークR 2.0」が公開されましたが、こちらは市販化には至っていません。

「コンパクトGT-R」とも呼べるジュークRは、GT-Rの歴史の1ページの片隅を飾る伝説的なモデルになるに違いないでしょう。

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