“5速MT”搭載! ダイハツ本気の「“タフすぎ”軽トラ」が凄い! ジムニー超える“最低地上高”×「660ccエンジン」で悪路に強い! “実用性”を徹底的に追求した「マッドマスターC」とは!
かつてダイハツが公開した「マッドマスターC」は、現在の日本市場で人気を集めている「軽自動車のクロスオーバーモデル」の先駆けとも呼べる先進的な存在でした。
“5速MT”搭載! ダイハツ本気の「“タフすぎ”軽トラ」が凄い!
クルマの祭典であるモーターショーなどでは、各メーカーが将来の技術や新しいライフスタイルの提案として、数多くのコンセプトカーを発表します。
その中には、時代の変化とともに後から再び評価が高まる、先進的な視点を備えていたモデルも存在。
2007年に開催された「第40回 東京モーターショー」でダイハツが世界初公開した「マッドマスターC」も、現在の日本市場で人気を集めている「軽自動車のクロスオーバーモデル」の先駆けとも呼べる存在でした。
このマッドマスターCは、未舗装の険しい山道を駆け抜けるマウンテンバイクの競技をサポートするための専用トランスポーターとして企画されました。
開発にあたっては、日本を代表するプロの自転車競技選手の意見を全面的に取り入れ、過酷な自然環境での使用に耐えうる実用性を徹底的に追求。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1600mm×全高1960mmと、全幅のみ軽規格(1480mm以下)を超えているため、厳密には「軽トラック」ではないものの、660ccエンジンと5速MTを搭載していたことからも、開発にあたって「軽トラック」を目指していたことがわかります。

車体は四角い箱型のシルエットが特徴的で、側面には上に向かって大きく開くガルウィング式の大型ドアを採用。
自転車本体や交換用のタイヤ、修理工具などの大きな機材を、雨を避けながら立ったままスムーズに出し入れできる構造となっています。
そして、このマッドマスターCにおいて最も注目すべき点は、軽自動車の一般的な枠組みを超えるほどの本格的な悪路走破性能を支える足回りのメカニズムです。
通常のクルマの構造とは異なり、ホイールの中心と車軸の中心をずらしてギアで繋ぐ「ハブリダクションシステム」という特殊な機構が組み込まれています。
特殊車両や大型の重機などに用いられるこのシステムを採用することで、エンジンの動力を確実にタイヤに伝えつつ、車軸そのものの位置を大きく引き上げることが可能となりました。
結果として、このクルマは370mmという極めて高い最低地上高を確保。
これは、悪路走破性の代名詞であるスズキ「ジムニー」(現行型で205mm)の約2倍という驚異的な数値です。
さらに、足元には16インチの大型オフロードタイヤを装着しており、大きな岩が転がっている河原や、雨で深くえぐられた泥道のような過酷な環境でも、車体の底面やバンパーを地面にぶつけることなく前進できる高い走破能力を備えていました。
このような機能に特化した設計は、車内のインテリアにも及んでいます。
インストルメントパネルには、走行情報をシンプルかつ明確に伝える大型の液晶モニターが配置され、運転席と助手席のシートには水を弾く素材を採用。
床面も泥汚れを直接水で洗い流せる設計となっており、競技中の過酷な現場で汚れた服のまま乗り込んでも、手入れが容易な実用本位の造りが徹底されていました。
そんなマッドマスターCですが、あくまでモーターショー向けのコンセプトモデルとして製作されたため、そのままの形で市販化されることはありませんでした。
しかし、プロフェッショナルの厳しい要求に応えるための妥協のないメカニズムと、無骨でありながら機能的な美しさを持つデザインは、現代のアウトドア志向のクルマ作りに通じる要素を数多く含んでいます。
軽自動車の限られた寸法のなかで、特定の目的に向けて性能を極限まで特化させたマッドマスターCは、ダイハツの柔軟な発想力と視点の先進性を象徴する一台として、今なお存在感を示しています。
Writer: くるまのニュース編集部
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