全長2.5mの「小さな“1人乗り”オープンカー」爆誕! ロングノーズで美しいフォルム実現! 美大生の制作した小さなクルマとは
SNSにひときわ黄色いボディが際立つ1人乗りのオープンカーが投稿されました。ある美大生が卒業制作として制作したこのオープンカーは、どのようなこだわりのもとで製作されたのでしょうか。
「誰もやったことがないことを」 美大生が手がけたオープンカー(EV)の誕生
ひと目見て、独特なフォルムを纏った1人乗りのオープンカーがSNSに投稿されました。
【画像】超カッコいい! これが「斬新・1人乗りオープンカー」です。画像を見る!(30枚以上)
その正体とはどのようなものなのでしょうか。

Xで、現役美術大学生「ボウチ」氏によるオープンカーが投稿されました。
卒業制作として実寸サイズのオープンカー(EV)を制作したというこのプロジェクトは、どのような経緯で誕生し、どのようなこだわりのもとで製作されたのでしょうか。
ボウチ氏は、卒業制作としてEVを制作した理由について、次のように話しています。
「学生最後の制作に際し『(私の大学で)誰もやったことがない、面白いことをやりたい』と思ったことがきっかけです。
実寸の自動車をデザインし制作することで『美術大学でも車を制作できる』ということを、私のように今後カーデザイナーを志望する学生に示したいと考えました」
ボウチ氏が着目したのは、従来の乗用車よりもさらに小型な「マイクロカー」です。
「マイクロカーは最高速度こそ低いですが、その分保安基準が乗用車ほど厳しくありません。
また部品点数が少なく安価に生産できます。だからこそ軽量で安く、今の車にない楽しみ方ができる車を作れるかもしれないと思いました」
さらに、このEVの最大の特徴は、スポーツカーの要素を取り入れたパッケージングとスタイリング。
ボウチ氏は、特に「ドライバーが道路の動きを感じられること」を重視し、車両設計にこだわったといいます。
「ドライバーに道路の動きを感じてもらうために、座高を限界まで低くしました。そうするとカヤックみたいに下半身がクルマの中に埋まる形になります。
その乗車姿勢から必然的にノーズが長くなり、この伸びやかなプロポーションになりました。
ノーズを低くすることによって、地面との距離が近く運転時のスピード感をより演出できます」

フロントとリアのオーバーハングを極力短くし、タイヤが四隅に配置されたようなデザインに仕上げることで、コンパクトながらも安定感のあるスタイルを実現しました。
車両のカラーリングにもこだわりがあり、ボウチ氏は次のように説明しています。
「車体をより薄くシャープに見せるために、ツートンカラーを採用。若々しい印象を与え、車体のハイライトが際立つようターメリックイエローメタリックを採用しました」
このEVは、実際に走行可能な設計となっており、大学内でのテスト走行もおこなわれています。
ただし、ボウチ氏は、公道走行を前提に設計されたものではなく「現時点でナンバー取得の予定はない」と話します。
「走行できる機構とある程度の耐久性を持っていますが、あくまでも『実寸大のデザインプロトタイプ』です。
そのため、補器類やシートベルト、ロールバー等が装備されていません。
公道走行するにはそれらを装着する必要があると思われます」(ボウチ氏)
※ ※ ※
このEVは、あるマイクロカーをベースとして制作されているとのこと。
「駆動系や足回りはすべて大学からトヨタ車体製の『エブリデーコムス ロング』のものを流用しました。
半年の期間でそれらを独自に設計するスキルが不足していたためです。
幸いこの車体は後輪駆動のラダーフレーム構造で、私にとってこれ以上ないほど理想的でした」
車両サイズは、おおよそ全長2500mm×全幅1100mm×全高800mmとコンパクトな仕上がりとなっており、まさにマイクロカーならではのサイズ感を持つEVに仕上がっています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿や、URLを記載した投稿は削除する場合がございます。