日産の「小さな高級車」がスゴかった! 豪華“レザー”内装&ひろびろ室内! 6速MT「スポーツモデル」もある万能コンパクト「ティーダ」とは
2004年9月にデビューした日産「ティーダ」は、近年注目される「小さな高級車」の先駆け的存在でした。どのようなクルマだったのでしょうか。
スポーツから高級まで! 万能選手の「ティーダ」廃止は失策だった!?
販売不振が伝えられる日産ですが、かつては今よりも幅広いラインナップを用意し、ユーザーのさまざまなニーズに応えていました。
なかでも「ティーダ」は独自の「高級コンパクトカー」としてのキャラクターが支持され、根強い人気を集めていました。
![いまこそ復活希望! 万能コンパクト「ティーダ」とは[画像は「ティーダ AXIS(アクシス)」の専用本革内装]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/02/20250228_NISSAN_TIIDA_AXIS_001.jpg?v=1740735229)
2004年9月にデビューした5ドアハッチバックのティーダは、最小モデル「マーチ」や、2005年1月にデビューした初代「ノート」などより大きなサイズをもった上級コンパクトカーの位置づけでした。
ティーダのボディサイズは、全長4205mm×全幅1695mm×全高1535-1540mm。
立体感のあるダイナミックなフォルムを基調に、フロントグリルや前後のライト形状に上質さを漂わせるデザインが取り入れられていました。
このクルマの最大の特徴とされるのがインテリアです。
従来のコンパクトカーでは得られなかった高いインテリアクオリティを備え、インパネは水平基調の設計でワイドな印象を強調し、メーターパネルやエアコン吹出口、ドアハンドルなどにはメタリック調の加飾が施されています。
またドアトリムやルーフライニングには触感と柔らかさを重視した素材が採用され、シートにはスエード調や本革といった高級素材を用い、細部にわたるステッチ処理にもこだわりが見られます。
またティーダは車内空間の広さも特筆すべき点で、当時の日産のフラッグシップセダン「シーマ」を超える足元空間と、リアシートにはミニバンクラスの240mmものロングスライド機構を採用していました。
こうした多彩なシートアレンジを活用すれば、ステーションワゴン「ウイングロード」並みのラゲッジスペースも実現するなど、居住性重視のレイアウトと積載性重視のレイアウトに使い分けることができました。
パワートレインは当初1.5リッターエンジンのみで、駆動方式はFFに加え、後輪のモーターで簡易的にアシストする「e-4WD」を設定。トランスミッションはCVT(FF車)と4速AT(e-4WD車)が組み合わされます。
2004年10月にはセダンモデル「ティーダ ラティオ」が追加されたほか、2005年1月には1.8リッターエンジン車が追加されました。
2005年12月にはオーテックジャパン(現・日産モータースポーツ&カスタマイズ)が手掛けた上級カスタムモデル「アクシス」がラインナップに加わりました。
このモデルは、専用エクステリアに加えてタンカラーの本革内装を設定するなど、まさに小さな高級車の象徴と呼ぶべき贅沢な仕様になっていました。
さらに2008年1月には1.8リッターエンジンに6速MTを組み合わせるモデルを追加。スポーツハッチとしてのキャラクターも備えたことで、より守備範囲を広げています。
そんな万能選手のティーダの販売は好調な実績を示し、登場直後から新車販売台数ランキングで上位を維持し続けました。
また中国や北米、欧州などの海外市場にも展開される世界戦略車として、発売からわずか3年半で累計販売台数が100万台を突破しています。
ただし2012年には、2代目ノートと入れ替わるように1代限りで国内の販売を終了しています。
一方で、2011年に発表された2代目ティーダは、グローバルモデルとして新たな展開を図り、日本でこそ発売されなかったものの、世界130の国や地域で販売され、2015年には3代目にフルモデルチェンジされています。
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国内では1代限りで終わってしまったティーダ。
その後日産は、40年の歴史を誇ったマーチも含め、国内ラインナップを次々と整理し続け、今ではその多くの代替役をノートシリーズが一手に担っている現状があります。
急激な合理化も一時的には良かったのかもしれませんが、昨今の苦境を知るにつれ、果たしてそれが有効な手立てだったかは大いに疑問が残るところです。
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